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悪徳の性へ 
【学園物 官能小説】

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〜 補習A 〜-2

 両目を閉じ、両方の鼻孔をフックで左右に拡張され、口には輪型のギャグを噛まされ。 本来なら美しかろう黒髪に、茶色い汚物をこびりつかせ。 便器の奥で何かを待つように口を開けた姿は、異常であるがゆえに滑稽で。 無理やり固定された口は、どうぞ狙ってくださいと言わんばかりに開いていて。

「ぷくっ」

 私は思わず笑ってしまった。 なるほど、これがA棟のトイレか。 いかにも学園にありそうな光景だ。 人間を文字通り便器扱いすれば、こうなるのは確かだ。

 改めて便器全体を俯瞰すると、貯水タンクには少女の下半身が収められているのが分かる。
 首から下は便器に塗り込められているようだ。 両手はというと、床の中に固定されているらしい。 少女の口が排水溝だろうか? 排泄する私は、このまま少女の顔面めがけて小水を飛ばせばいいのだろうか?
 
 正しい使い方は分からない。 
 私は便座に跨ると、短いスカートをたくしあげた。 もともと膝上30センチの超ミニではあるが、飛沫がかからないとも限らない。 尿道口がぷっくり盛りあがり、

 プシュッ……ジョロロロロ。

 ひだに当たって方向がよれたりしながら、私は敢えて少女の口を狙わずに、気儘に迸られた。
 今の私は尿を受ける側ではない。 自由な側(サイド)だ。
 
「ぃ……ぅ……」

 微かな呻き。 飛沫が鼻に、口に、閉じた目にかぶさる。

 ジョーロロロロロロロ。

「うん……んっ……」

 長い間我慢していたせいで、中々止まらない。 薄黄色の液体が水嵩を増す。

「んっ、んっ、ん」

 ジョロロ……ピチャン。ピチャン。

 腰を浮かし、ブルッと一振り、最後の水滴を便器に落とした。 便座を見下ろすと、少女の頭頂部から頬までが小水に浸かっていた。

「ごぼっ……ぐぼ」

 少女の喉から濁音がきこえる。 何とか喉に入らないよう顎をもちあげていても、広げられた口では遮ることが叶わない。 呑み込んでむせるのは当たり前だ。 
 私はスカートを元に戻し、腰をあげた。 紙で股間をぬぐうことはしない。 まだ尿の処理を自分ですることまでは、私は許可されていないからだ。 股間の残滓が太腿を垂れ、そっと指で拭って口に含んだところで、便座のフタを元通りに下ろす。 少女の顔が見えなくなり、私はトイレの水洗ボタンを押した。 

 ゴゴゴゴゴ。

 貯水タンクから水が流れる音がする。 しかし、通常の洋式トイレにあるような、外部から水をタンクに注ぐ蛇口はない。 それでも、確かに便器に何かが流れている。

 私はフタを開けて確かめることはせず、トイレから出ることにした。
 もう十分だ。 
 この学園では、自分が便器にされることもありえる。 
 便器にされても構わないか? いうまでもない。 答えはNOだ。
 ならば、今まで以上に学園に従い、そうならないよう適応するだけだ。 便器の中の少女は、適応する努力を怠ったか、それとも運が悪かったかだ。 私は違う。 運は私の味方をする。 

 トイレの天井には監視カメラが光っていた。 察するところ、私の動きと、便器になった少女の様子を誰かが監視しているんだろう。 用心して、早く立ち去ることにする。
 
 次の授業は家庭科だ。 【4号教官】は遅刻を何よりも嫌う。 
 私は咎められない程度の早足で、B棟の教室へ歩を進めた。 


〜〜 補号による補足・補習A 〜〜
 排泄管理補習の1つ。 
 対象になった生徒は、鼻と口を全開状態で固定される。 続けて腰に手を当てた姿勢(いわゆる器械体操でいうところのアンテナ)を取らされる。 その後足を曲げ、股間を顔に近づけ、顔だけが便座内部に出るようにして、便器に取りつけられる。 一度補習が始まると、不特定多数の使用者が落とした排泄物を、大便小便問わず、顔面で受け止めねばならない。 
 排泄が終わったあとで使用者が洗浄ボタンを押すと、自分の尿道に挿入されたカテーテルの栓が外れ、膀胱に限界まで詰められた尿が導尿管を通って流れ出す。 尿は便器に流れ込み、対象生徒は自身の尿で顔を洗う。 顔は便座の最も奥に固定されているため、排泄物と自分の尿が一定量を超えると、生徒の顔は排泄物に沈む。 
 そうなるまえに生徒は自分の頭をもちあげなければならない。 頭の下には排水溝と濾過装置があり、液体成分はポンプによって生徒の尿道に押し上げられ、膀胱内に収められる。 固体成分は下水に破棄される。 頭をもちあげるには、ほとんど力を要しない上に、少しでも頭をもちあげれば排水溝が機能するため、汚物で窒息することは考えにくい。

 補習は、このプログラムに限らず、対象生徒が所定の条件を満たせば履修となる。

 補習Aでは、対象生徒が自分の意思で頭を排水溝に固定し、排泄物を貯めることを要求する。 自分の尿と使用者の排泄物を便座に貯め、頭を少しもちあげれば解放されると知りながらも、敢えて排泄物で自分の口・鼻を覆わねばならない。 その上で排泄物を全力で飲み込み、逆立ちした体勢のままで胃・腸を通過させ、肛門から排泄し、貯水タンク(実際は水は入っていない)の中を自らの汚物で満たすことができた時点で、対象生徒は便器から解放される。
 対象生徒は自分の立場を全く分かっていない。 対象生徒は排泄物を見下し、自分の体内を綺麗にしたがるが、その姿勢からして間違っている。 自分を客観視できていない生徒ならば、彼女たちの口や消化管は、他者の排泄物が通ることが当然である。 もしそれを忌み嫌うなら、それは自分の価値を過大評価しており、尊大傲慢の証拠といえる。 自分を正直に見つめなおし、謙虚な姿勢を取り戻すことができれば、排泄物によって間違った性根を清めることができる――これが排泄管理補習A〜Cに共通した矯正過程になっている。


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