投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ちびま○子ちゃん
【その他 官能小説】

ちびま○子ちゃんの最初へ ちびま○子ちゃん 9 ちびま○子ちゃん 11 ちびま○子ちゃんの最後へ

ちびま○子ちゃん-10

 夏の暇な期間、部活の合宿所として埋めたらどうだろうと考えたのである。
「合宿所?」
健一に話すと鈍い反応が返ってきた。
「そういうのはもうあるでしょ。自治体の施設とか」
「ふつうの旅館ではあまりないでしょう?ここは夏涼しいし、温泉があるのよ。子供だって喜ぶわよ」
 近くに統合で廃校になった中学がある。グラウンドはかなり広い。体育館も立派なものでほとんど使われていない。3年前に廃校になってから教室もほぼそのまま設備が残っていると聞いた。
「もったいないわ。いろんな部活に使えるじゃない」
町をあげて誘致したらどうだろう。
「他の旅館にも話してみて。うちだけじゃできないことよ」
民泊で過疎の村に活気が甦ったという話も聞いたことがある。検討してみたらどうだろう。
「合宿所っていうと味気ないけど……」
 合宿旅館。

「合宿旅館……」
何を考えているのか健一は視線を宙に漂わせた。
「中高生をたくさん呼ぶの」
「中高生……」
「そうよ。中高生」
健一の目の動きに明らかな変化が見えた。

「旅館の雰囲気を味わってもらって、温泉付き。いいでしょう?」
「料金はどうするの?そんなに高くできないだろうし」
「それは安くしないと。でも空いてるんだし、団体よ。宴会場にも寝るようにしたら相当受け入れできるわよ。それにーー」
旅館のマナーを教えたり、掃除もしてもらったらどうか。部活プラス生活体験。
「布団の上げ下げだってもちろん自分たちで。最近の子はベッドが多いからシーツのかけ方も知らないかも。健一がいろいろ教えてあげたらどう?女の子たちに」
「女の子?」
「そう」
「女の子とは限らないだろう?」
「限ったらどう?」
「限る?……」
「私立の女子校にするのよ。中学や高校。いっぱいあるでしょ、東京には」
健一の顔には真剣さが見えてきた。だが、首を振る。
「そんなこと、可能かな……。そういう学校は教育環境が整ってるだろうからな……」
(興味は持ったようだ。なにしろ少女の世界なのだ)

 とにかく、やる気を出してほしい。そこが欠けている。何と言っても『お坊ちゃん』なのだ。企画や営業をしたことがないようだからその切っ掛けの意味でも自分で考えてくれたら。……健一の好みをくすぐるのは不純な方法だとは思ったが、まず動いて欲しかったのである。


 翌日、昼ごろ出かけた健一は2時間ほどしてやや頬を紅潮させて帰ってきた。
「真美ちゃん、ちょっときて」
気持ちが昂揚していたのだろう、いつものように甘えた口調で言ってから口を噤んで頭を掻いた。女将さんが近くにいたのである。女将さんはちょっと驚いてから笑いをこらえながら去って行った。

「困るよ健一。2人の時だけよ」
「ごめん。いい話があってさ。部屋に行こう」
(ああ、恥ずかしい……)

 話はほんとに『いい話』であった。
緑水館の若旦那に昨夜の件を話してみた。高校の同級生だという。
「話し始めたとたん、俺の顔をじっと見てさ。同じことを考えてたって言うんだ」
企画の段階ではなく、来年の夏、独自に実施してみようと話を進めていたというのである。
 緑水館はこの町で最大規模の温泉ホテルである。その別館に来年の夏、子供たちを受け入れるのだという。緑水館の女将さんの母校は東京の嘉精女学園。同級生が現校長で、そこから話が広がったらしい。
 懐石料理のマナー、茶の湯、希望者には着物の着付けまで含めて計画している。

「すごいお譲さん学校らしいよ」
どのくらいの人数になるのか、まだ未定のようだが、学校の教育の一環として実施するらしいから希望者だけにしても相当数になると見込まれる。
「実績ができたら、町も動いてくれるかもしれないわね」
「そうなんだよ。それでね、その時、もし人数が多かったら受け入れてくれないかって言われちゃった。ヒヒ……」
いやらしい笑いが洩れた。
「ばか……」
「え?」
「何笑ってんのよ」
「いや……」
「あのね、これ、お仕事よ。将来に向けたお仕事よ」
「わかってます……」
少しうなだれて頭を下げたものの表情は変わらない。
「明日ね、もう一人仲間を誘って役場に行こうということになったんだ。いろいろ話してくるよ」
やる気になったのはたしかなことだった。

 やる気は夜の営みに集約されたように現われた。
(それが健一……)でもある。
 
「これ、着てくれない?」
押し入れから出してきた袋から取り出したのは臙脂色のジャージであった。
「真美ちゃんに似合うと思う……」
体操着とブルマを買って切っ掛けを作ったのは自分だから受け入れるしかない。

「ノーブラで着る?」
「いや、ちゃんと下着はつけて。着替えるとこからやって」
(しょうがないな……)
習慣化していても投げやりじゃだめだ。出来る限り『演技』をしないと。
 『更衣室』のつもりでも、恥じらいを表しながら下着になり、ジャージを身につける。「真美ちゃん……可愛い」

 それからがきつかった。ストレッチをしてくれという。
(ええ?……)
思いながら、彼が歓ぶのである。
 途中で胸のファスナーを下げると、健一は四つん這いになって覗いてくる。
(これが昂奮するのね……)
 それからいろんなポーズを取ったあと、下着になり、彼と触れ合っていく。
「真美ちゃん!」

 実現するかわからないけど、健一の気力は確かに前を向いている。それとともに、『ちび』な自分が何だか少しずつ大きくなっている気がする。それは勿論、気持ちの問題だ。
(ちびでよかった……)
伸び上がろうとする目標が遠くにあると踏ん張る力が増すような気にもなる。
 これも気持ちの問題だ。
 真美子は彼の一物を締め上げながら、
(負けるもんか)
それは何に対してなのか、分からないまま結合に酔った。  

 






ちびま○子ちゃんの最初へ ちびま○子ちゃん 9 ちびま○子ちゃん 11 ちびま○子ちゃんの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前