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ちびま○子ちゃん
【その他 官能小説】

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ちびま○子ちゃん-9

(9)


 真美子の知る限り、旧態依然とした営業形態で順調に客足を伸ばしつつ存続している旅館、ホテルは、よほどの老舗か何かのブームにのった観光地を従えた特定の地域以外にないような気がする。いや、少なくとも老舗といわれる名のある施設は名前に胡坐をかいていたはずはない。古いけれど、いいものは残し、その上で折々、時代のニーズに合った前向きな施策を取り入れて、不断の努力を重ねていた。そうでなければ淘汰されていただろう。
 これは以前勤めていたホテルにいた時に旅行社の添乗員に聞いた話を思い出したものである。その時はそんなものかとさほど関心ももたずに聞いていたが、いまは自分の問題として考えねばならなくなった。
 この温泉町でも、経営が行き詰まり、企業に買い取られて格安ツアー用の施設となったホテルもある。
(何とかしなければ……)
『あなたに託したい』
お披露目の日が近づくにつれて女将さんの言葉が脳裏を離れなくなった。

 健一に訊くと、ホームページは何年もそのままらしい。内容はこれといって特徴のないもので、特典やプランもなく、何の魅力もない。インターネットの予約はほとんどないと番頭さんも言っていた。
 お客の多くは中高年のリピーターである。落ち着いた雰囲気がいい。みんなそう言って喜んで寛いで過ごしてくれる。料金も他と比べて安い。ならばそれをもっと売りにして集客活動をしたらいい。本当は幅広い客層にアピール出来るものがあればいいのだが、これといって案は浮かばない。しばらくは高齢化が続くから今はその路線でやっていくしかない。
 それにしても、客は減っている。満室ということはまずない。特に夏場がひどい。お盆の時期を除いたらガラガラである。パートの仲居さんに休んでもらうこともある。この実情は清水旅館だけのことではなく、町全体の問題でもある。周辺にはテレビの旅番組に取り上げられる有名な温泉地がたくさんある。知名度でも施設、設備ともとてもかなわない。

「そこそこお客さん来てるし、いいんじゃない?」
健一は膝を抱えた真美子のお尻を撫で回しながら他人事みたいに言う。
「来てないわよ。夏は空き部屋ばっかりよ」
「可愛いお尻」
健一の唇が尻の丸みを辿ってクレバスにさしかかる。
「若旦那……」
「いやだよ真美ちゃん。2人の時はちがうでしょ」
「あ……健一……」
仕事の時は当然、『若旦那』と呼んでいる。

「ねえ、あたし、もうすぐお披露目なのよ」
「うん……」
健一は丸見えの秘部に鼻を近づけてにおいを吸い込んでいる。
「そうしたら若女将になるのよ」
「いいじゃないか。真美ちゃんが若女将。可愛い若女将」
「そんな簡単に考えてちゃだめよ。若夫婦になったらお客さんが減ったなんて言われたら、あたしいやだもん」
「心配するなよ。真美ちゃん……」
「何か新しいことない?2人で考えようよ」
「うん……」
健一の舌が割れ目をすっとなぞった。
「うう……」
(感じる……)
いつもこうしてセックスに突き進んで、話はうやむやになってしまう。
(愛してくれるんだから、それは幸せなことだけれど……)

 健一はやはりロリコンの好みは持っている。真美子は2か月あまり彼と夜を共にしてきてそう思った。だが異常性は感じられない。少女だけに欲情するとか、偏執的な嗜好はなさそうだった。彼が自分で言ったように、『可愛い』ということが重要な要素なのだろう。小柄だとか、仕草とか、格好など、健一の女性観がそういうものなのだと思う。人によってはそれが正常ではないと考えるかもしれないが、誰だって好みがある。そう思えば同じようなものだ。

 恥じらってみせたり、縮こまってわざとイヤイヤをしたりすると健一はとても喜ぶ。初めは抵抗があったが、大きな体をした彼の昂奮する様子を見ているうちに『可愛い』と思うようになり、真美子も調子づいてきて、
(2人で楽しんでいるんだからいいんだ……)
要求に応えるだけでなく積極的に演じてみせたりした。

 どんな反応をみせるか、楽しみも手伝ってブルマと体操着姿で布団に入っていたことがあった。わざわざ隣町まで行って買ってきたのである。
 それと知らない健一が布団をめくった時の顔は忘れられない。驚きと悦びがいっしょくたに表われた感じだった。
「真美ちゃん、似合う、似合うよ、可愛いよ」
下着を着けていないから乳首がつんと突き出ている。
「その場駆け足してみて」
「え?」
白いシャツを通した膨らみが揺れるのがたまらないらしい。
「巨乳じゃだめなんだ」
微妙な揺れ具合がいいという。
(やっぱり、おかしいかしら……)
でも夫婦でしていることだから……。
 その格好は時折リクエストがあって着ている。
(今度、スクール水着着てみようかしら……)
健一に抱かれながら半ば本気で考えた。そして、ふとあることが浮かんできて、真美子はその思いつきに執着していった。

 
 


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