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ちびま○子ちゃん
【その他 官能小説】

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ちびま○子ちゃん-11

(10)


 お披露目の帰り、タクシーの中で女将さんは真美子の手を握った。
「立派だったわよ。真美子さん」
「いえ、何だかおぼえていません……」
教わった通りの挨拶を述べ、居並ぶ40数名の大女将、若女将一人一人紹介を受ける。
形式的なものとはいえ、その場の緊張といったらなかった。
「言葉がはっきりしていてよかったわよ」

 女将さんが嬉しかったのはその後の懇親会の中で緑水館の大女将から例の『合宿旅館』の話が出たからでもある。女将さんにはまだ言っていなかった。
「若女将の真美子さんが考えたことですってね。うちで企画していたこととちょうどいいタイミングで。これから楽しみね」
そう言われたという。

 健一が真美子の名を出したということだ。
(健一ったら、あたしのことなんか言わなくてもいいのに)

「今日は鼻が高かったわ」
「いえ、若旦那が動いてくれたんです」
「そういう謙虚なところがあなたのいいところ。明日から若女将。頑張ってね」
「はい……」
 真美子はまだ緊張を引きずりながら昂揚感に満たされていく自分を感じていた。

 まだ実感など伴うはずもない若女将という立場。緊張に包まれた一日の疲れ。いろんなことが昂奮に結びついていた。ほっとしたことで気持ちが解放されて彷徨うようになっていた。
(心が揺れて、縋りたい……)
それは健一の胸しかなかった。
(今夜は、何でもしちゃう……)
夕方、仕事の合間に囁いた。真美子のほうから夜の誘いをかけたのは初めてのことである。
「どうする?ジャージ?ブルマにする?」
健一は目を輝かせて、
「そんな、すぐ決められないよ」
いやらしいことを考えているのに何だか純心さを感じた。

 でも、その夜はハードだった。いろんな意味で……。

 この日は慣れない着物で過ごしたから疲れはそのせいもある。着物は女将さんが若い頃のもので、身幅や丈を詰めて帯類一式いただいた。女将さんが気遣ってくれて早めにあがった真美子は喜物を脱ぎ、衣桁に掛けると下着姿で大の字になって寝ころんだ。
(きつかった……)
締め付けられていたものがすべてなくなって体が軽くなってふわふわした感じ。このまま眠りたいところだったが、もうすぐ健一がくる。その前にお風呂に入って魅惑の『ちびまみ子』でいなければならない。

 片づけをしているところへ健一が少し急いで入ってきた。
「お風呂入った?」
「ごめん、まだこれから」
「いいんだ」
「一緒に入ろうか」
「うん……」
言い淀んだ感じで、
「あとで、入ろう。そのままでいて」
「そのままって?」
間もなく理由がわかった。

「やだ、そんなの」
真美子の体臭を嗅ぎたいのだという。紅葉の時期とはいえ、一日働けば汗ばむこともある。今日は特に緊張でふだんより汗をかいている。
「それがいいんだ……」
しかも、股間も洗わずに、そこも……。

 絶対いやだ、と思いながら、火照った顔の健一に抱きすくめられるとその日の昂ぶりが不意に押し寄せてきて力が抜けていった。

「布団、敷いてない……」
「いいよ、ここで……」
畳に重なると健一の顔が腋に入ってきて、
「ああ、いい……」
クンクンと鼻を鳴らしてくる。
「いやん、汗臭いでしょ」  
「いいにおいだよ。甘酸っぱくて、女子高生みたいだ……」
「ちょっと」
押しつけている彼の顔を両手で挟んで、
「女子高生に……したことあるの?」
「い、いや、ないよ。そういうイメージがしたから」
うろたえが目の中をよぎった。
「うそ。正直に言わないとお風呂入っちゃうから」
問い詰めたら、東京にいた時にそういう店に行ったことがあると白状した。現役女子高生が自分の下着を見せて、いろいろサービスしてくれるらしい。

「1度行っただけなんだ。ほんとだよ」
「そういう子とあたしをダブらせてたの?」
「ちがうって。真美ちゃん可愛いからそういう齢に見えちゃうんだよ」
(うそのつけない人だから、そうなのだろう)

 真美子は黙って仰向けになると腕を上にして腋を露にした。
「健一……きて……」
(ロリでもいい……でも、これからはあたしだけよ……)

「あう……」
健一の舌が腋に張り付いて蠢いた。舐めながら背に回った手がブラジャーのホックを外し、舌は徐々に膨らみに移っていく。汗ばんでいる。
「臭いでしょ?」
「ううん。いいにおい。真美ちゃんだ」
「ほんとは、恥ずかしいのよ」
「うん。今日だけ、お願い」
真っ赤な顔した健一は真美子と視線を絡ませながら乳首を口に含んだ。
(ああ、気持ちいい……)
 恥ずかしいのを堪えたことが性感を高めたものか、いつもより感じる気がした。それがはっきりわかったのはパンツを脱がされた時である。

「あ……」
(汚ないよぉ……)
何度もオシッコしたし……。
 健一の顔が股に迫ってくる。
(だめ……)
思いながら、体は動かない。秘部はすでに温泉掛け流し状態。
「真美ちゃん……濃厚だよ、濃厚」
のめり込むように唇が押しつけられて真美子は気が飛んだ。
 気がついたら一つになっていた。
「健一……」
「真美ちゃん」
キスされたら、つんと鼻につくにおいがした。

 この人と頑張っていこう。変な趣味を持ってるけど、それもあたしだけのものにする。
(ちび……それが、縁……)
もう少し落ち着いたら、子供がほしい。大きな健一とちびなあたし。どんな子供ができるんだろう。
 快感に陥りながら、なぜか真美子はこみ上げてくる涙を止められなかった。


 



  


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