5.つきやあらぬ-6
紅美子がそう言っても、徹は開いただけで外に零れ落ちそうなほど潤った蜜壺を指で貫いてきた。「んあっ!!」
徹が指をゆるりとピストンさせる度、ヌッチュ、ヌッチュという音が聞こえてくる。指を挿し込んだまま、下着が大きくズラされて顔を覗かせた秘門へ口づけをされ、直接舌先が雛突を弾いてくると、紅美子はソファからずり落ちてしまうほど体を跳ねさせて叫びに近い喘ぎを上げた。
ジュルッ……!
次々と溢れてきた蜜を徹に啜られる音が聞こえる。スカートの裾に顔が隠れて髪しか見えていない徹の頭を両手で抑えて、
「やっ……、徹。これ、やっぱり、だめ。超はずかしい……」
「ん……」まだ啜る音がスカートから聞こえてくる。「気持よくない?」
「きもちいいっ……、でも、こんな……。徹のバカ……もうやだっ……」
煌々と明るい部屋の中で、全ての服を着たまま婚約者に秘所を愛撫されることがこんなにも恥ずかしく、そして性楽が溢れて幸せだとは思わなかった。恥ずかしいと訴えたのに、徹の指のスピードが増して、卑猥な水撥ねの音が部屋に立つと、「気持ちいい」と恋人に向かって叫んでしまった。
「いいよ、紅美子。もっと気持ちよくなって」
「と、徹……、も、もうだめ、ちょ……」
「ここ、好きだよね……?」
紅美子が教えてやった上壁のポイントを指が掻き出すように擦ってきた。紅美子は一気に絶頂の淵まで追いやられて、
「だめっ……、これ……、やぁっ……」
下腹部に甘く疼く凝りを感じて、徹の頭を股間から離そうとしたが、更に顔を押し付けてクリトリスを熱情的に愛してきた。「……わっ、や……、ど、どいてっ……。やぁっ! いっ、くっ……」
最後は声にならずに、身を縮ませて徹の頭を太ももで挟みつけると、紅美子は入口を彩るヘアの間からしぶきを上げて絶頂に達した。徹が指を緩めてくれないせいで、腰が慄く度に小さな口から潮が噴き、徹の顔にかかった雫が会陰を通ってヒップとスカートの隙間へと流れ落ちていく。
「もおっ……、スカート汚れた……。何すんのよぉ……」
スカートを履いたまま、自分でも信じられないほど淫らな飛沫を散らしてしまった恥ずかしさと後悔に両手で顔を覆った。今日帰る時はどうしよう、と考えようとする前に、徹の指と舌が続けて紅美子を愛しんでくる。
「んっ、待って、徹……」
徹が下腹から離れてくれない。紅美子は絶頂に痺れる体を何とか捩らせて、自分のスカートをヒップの上まで引っ張った。革張りのソファと下着姿になったヒップが触れるヌメリで相当な量を漏らしてしまったことが分かる。「服、汚さないでよ……、何考えてんの、もう……」
「紅美子……愛してるよ。もっともっと愛したい」
恨み言を言ったのに、さっき言って欲しかった言葉をいきなり言われて、紅美子は胸が締め付けられた。その体の隙を突いて、徹が舌と指で激しく愛撫してくる。体から吸着と摩滑の淫猥な音が大きく鳴った。紅美子は忽ち次なる絶頂に導かれ、まだなお徹の顔がすぐそこにあると逡巡するも、誘惑には抗えずに派手に愉楽を彼に向かって爆発させていた。
「と、徹……」
話しかけても徹はずっと愛撫を続けてくる。指と舌が、クリトリスと内部とを入れ替わり愛撫しながら、淫らな音が立つのも構わず紅美子を次々と絶頂へと誘ってくれた。何回果てたかわからなくなってきた。ショーツを履いているのに、ソファとヒップの接面が紅美子の悦びの漏汁に浸ってしまっている。
「と、徹っ……、お願いっ、もうムリっ……!」
また絶頂を迎えて紅美子が叫ぶと、徹は漸く脚の間から顔を上げた。紅美子の潮でシャツがびっしょりと濡れている。連続の絶頂の中で朦朧となりながら、ソファにぐったりと身を置いたまま、徹の惨憺たる姿に、恥ずかし過ぎて顔を背けた。
「紅美子……」
しばらくすると膝の裏を抱えるようにして持ち上げられた。徹がすぐ側まで覆いかぶさってくる。紅美子は無意識のうちに唇にむしゃぶりついて唾液をせがむ。下腹部に当てられる熱く硬い感触に目を落とすと、ジーンズの前窓から出され、コンドームに包まれた男茎が押しあてられていた。
「徹……。好き……すごく好き」
いてもたってもいられなくて言ってしまった。今度は徹のほうから紅美子の唇を吸ってそれに応え、腰を紅美子の中へ向かって進めてきた。ソファに片脚を上げて体を折る窮屈な姿勢で繋がると、紅美子は指よりも体を広げてくる感覚に小鼻を膨らませて、徹自身もその男茎も強く抱きしめた。いつもよりも徹の男茎の感触が強く伝わってきて、あまりの幸福感に涙粒が落ちてしまった。徹が腰をゆっくりと動かし始める。
「……うっ、あっ……」
腰を引いたところで、徹の体が雷を打たれたかのように震えた。
「ん……、……で、出ちゃう? 徹……?」
徹は激しく首を振って、ソファに押し付けた紅美子の肩を持つと一気に奥まで打ち付けてきた。
「やあっ……!!」
紅美子が嬌声を上げ、すぐそこまで来ている次の絶頂を予感して徹の二の腕にしがみつき、必死に頭を上げて彼を見つめ返すと、
「うおっ……、あ、……、し、しまっ……」