初出勤-4
第四章:優秀社員
涼子は、営業で成果を上げるつもりは無かったので、客先では話し相手になることが多かった。
高級なシニアホームでは、不調を訴える入居者に、惜しげもなく無料の試用品を差し出した。
服装も上品で高級なもので、身につけているジュエリーも高価のものばかりであった。
何不自由なく育った名家の血筋を持つ、上品で清楚な振る舞いが相手にも伝わっていた。
次の週に、再び試用品を手渡そうと訪れると、必ず長期の契約をしてくれるようになった。
試供品を置いてきて、数日で契約以来の連絡が来ることもあった。
最初の一ヶ月で、全社員中の中ごろの成績を挙げていた。
自分でも、客の反応に、驚いていた。
オフィス内に社員や、部長からも賞賛されが、
涼子には、まだ、実感がなかった。
優秀な成績を挙げた社員は、月に一度、社長室で昼食会に招待される。
涼子も、初めて昼食会に招待され、出席できることになった。
豪華な会議室には、有名な料亭から取り寄せた豪華な和食膳が、料亭の料理人によって配膳された。
一緒に参加している社員の中に、涼子が覗き見た年配の女性社員や少女のような女子社員もいた。
少女は、涼子に笑いかけながら挨拶した。
涼子は、良く知り合った間柄のように、妖艶な笑みで返答した。
昼食会では、不思議な状況を感じた。
出席した年配の女性社員と少女は、社長とは呼ばずに、エン様と話しかけていた。
涼子は、どこかで聴いた言葉だと思った。
昼食会が終わった後で、部長の男性社員から、
社長が、涼子だけに個人昼食会に招待したいとの誘いを受けた。
涼子は、歓声を上げて快諾した。
・・・ ついに、涼子の肉体にも、あの瞬間がおとづれると、身震いした ・・・