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爛れる月面
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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2.湿りの海-19

 絶頂の直後で唇も舌すらも敏感になっていた。井上の舌になぞられるごとに痙攣する。
「したい?」
 井上が紅美子との唇との狭間で訊いてきた。
「だめ……、帰る……」
 手のひらの中で井上の男茎が脈打っている。「かたい……」
「君のせいだ」
「……私じゃなくてもなるくせに……」
「そんなことない」
 井上は紅美子の脇を抱えてソファに立ち上がると、背後を向かせてガウンを肩から引き剥いだ。後ろから抱きしめバストを熱情的に揉みしだいてくる。キュッと引き締まっている紅美子の尻腿の間に硬い男茎が沿って密着していた。「こんなにもなったのは初めてかもしれない。……紅美子のせいだ」
「……帰るってば……」
「したい」
「帰るっ……、んっ……!」
 会陰に亀頭が擦りつけられると、指では味わえない快楽を求めて入口が震える。紅美子はソファの縁を掴み首を振った。「……帰るのっ! ……もう、これ以上したら」
「……したら?」
「も、戻れなくなる……」
 鼻先から涙がポタポタと落ちていった。おかしくなる。いや、もうなってしまった。井上の亀頭が入口にあてがわれて来ると、背を反らせ腰を突き出してしまう。おかしい。体がおかしい。体だけではない、頭もきっと狂ってしまったのだ。
 井上はゆっくり亀頭を紅美子に埋めるとそのまま腕を後ろに引き、猛々しい男茎を埋めていきながら紅美子の向きを変えた。
「見ろ」
「……やだ」
「見ろよ」
 後ろから強烈な打突が加えられて、脳天まで快楽が突き抜ける。口を開いたが声が出なかった。前を向くと、背後から井上に貫かれている自分が窓ガラスに映っていた。透けた影でも淫らな貌をしているのが分かった。
「あれは誰だ?」
「……わ、私じゃない」
「ちゃんと見ろ。あれは君だ」
「ううっ……」
 窓ガラスに手を付かされる。井上はヒップを向けた紅美子の見事な肢体を両手抑えつけると、力の限り男茎を打ち付けた。ヒップと下腹が大きな音を立ててぶつかる。体へ衝撃が与えられる度、紅美子の長い髪が肩から垂れ落ちていった。
「も、もうムリっ……」
「……後ろからされたの、初めてだろ?」
「んんっ……、こんなの……、いや」
「こういうふうにされると悔しい? 君らしいね」井上の手が貫かれたままのヒップを撫で、「全部丸見えだしな」
「んっ……く、こ、こんなふうにして……。何が、た、楽しいの」
「楽しいね」
 力強く腰を打ちつけて、井上も息を乱しながら言った。「君がどんどん僕のモノになっていくのがわかるからね」
「……いやよ、……ならない……」ヒップが鳴る。「ならないってばっ!」
「一緒にイこう」
 井上が挿入したまま抱き寄せて身を立たせ、紅美子の顔に手を添えて後ろを向かせると、濃密に舌を絡めてきた。ヨダレを顎に垂らしてまで貪ってしまう。そのままピストンが送り込まれてきた。何かを言おうとしても唇を離してもらえなかった。
 また生でセックスをして、イッてしまう――。
 その時耳元から低い声が流れ込んできた。
「……一人でする時は指輪を外したほうがいい。そんなの付けたままイジったら傷つくかもしれないし……」立たされたままグッと最奥の軟蓋を亀頭が押し上げてきた。「指輪をしないほうが誰かさんを忘れられて、きっと気持ちいい」
(徹っ……)
 またもや存在を忘れてしまっていた幼馴染がドッと頭の中に流れ込んできた。彼の名を心の中で呼ぶ中、後ろから貫いてきている男茎を締めあげて紅美子は絶頂に達した。紅美子の痴態を見届けた井上が劣情を迸らせると、内部に染み渡ってくる樹液の熱さに、絶頂直後の紅美子の体は高みから降りることができずに甘く痺れ続けた。






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