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LADY GUN
【推理 推理小説】

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そして…-1

 若菜の証言は一貫していた。
 「私は田口徹を殺害の意思を持ち銃を撃ちました。正当防衛ではありません。私は田口徹を殺すつもりでしたから。」
何とか若菜を救おうと正当防衛の可能性を探る警察側の思惑を寄せ付けない若菜。減刑など望んではいない。
 「しかし田口徹も銃を所持していたし、それに応戦したなら…」
 「なら田口の方が正当防衛でしょう。私は始めから田口を撃つつもりでしたから。」
 「いや…」
やりずらい取り調べだ。事件の特異性や重要性を考え、警視庁本部や宮内庁からも若菜に体する処罰をなるべく軽くするよう圧力がかかっている。しかしそれを望まない若菜は頑なに自分の罪を曲げようとはしない。あまりのしつこさに若菜はキレる始末だった。
 「だから何なのよ!!私は田口をぶっ殺す為に生きてきたの!!お父さんや先輩を奪われた復讐をするために今まで頑張ってきたのよ!!あなたちょっとしつこいんじゃないの!?」
マジギレだ。取調官ももう嫌になってにた。
 「ったく!さっさと有罪にして刑務所にぶち込んでよ!」
 「い、いや…」
 「歯切れ悪っっ!いつまでもウダウダウダウダ…。あんたタマキンついてるの!?」
取調官はタジタジだった。様子を見ていた石山が取調室に入った。
 「元気だな!」
 「あ…石山さん…。」
急にしおらしくなる若菜に取調官は呆れた。
 「一つ聞きたい。高梨愛理から検出された銃弾はおまえのものでも田口のものでもなかった。一体誰が殺した。」
 「私です。たまたま違う銃弾が入ってたんじゃないですか?」
 「そんなバレバレの嘘を。宮下君の証言では窓の外から誰かが発砲したようだということだが。」
 「実は…私にも分からないんです。私はあの時高梨愛理に脚を撃たれて。そしてもう一発撃たれそうになった時に、確かに窓の外から発砲されたように思います。高梨愛理の額と、田口の脚に。でもあの発砲があったから私は高梨愛理に殺されずに済んだし、田口と渡り合えたんです。脚を撃たれた私はかなり不利な情況でしたから。だから誰が撃ったのか確認している余裕はありませんでした。」
 「そうか。分かった。それは今から捜査するよ。」
 「杏奈さんは無事ですか?」
 「ああ。運良く無傷だったよ。お前に会いたがってたぞ?」
 「そうですか。あと石山さん、これを俊介さんに返して下さい。」
指輪を外す若菜。しかし石山は受け取らない。
 「自分で返せ。フフフ、じゃあまたな。」
石山は出て行った。そして入れ替わりで入って来たのは俊介だった。


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