暗殺者・瀬川涼子-5
愛理は仕事を終えると軽く打ち上げを行ってから仲間やスタッフと分かれる。そして道の横に立っていると高級外車が目の前に停まる。愛理はニコッと笑い軽く手を上げると助手席に回り車に乗り込む。外車はさっそうと走り去る。
「さっき来たわよ、あなたに会いたがってる美しい刑事さんが。」
運転する男はピクッと反応する。
「東京に来てたのか…!」
予想していなかったような反応を見せたその男は、そう、田口徹だ。
「そうか…くそっ。意外と早かったな、スパイに気づくのが…。」
篠原が見つかった事を悟る。
「実際見ると超美人じゃん。スタイルいいしオッパイ大きいし。早くレイプしたいんじゃないの?」
田口はニヤリと笑う。
「大好きな先輩同様、マンコに拳銃をぶち込んで泣かしてやりてぇよ。何か聞かれたか?」
「大事な人を奪われる気持ちを教えてやるとか何とか…。」
「大事な人か…。意味深だな。湯島さん一家と麻耶さんが殺された事を含んだような発言だ。」
「それ、やっぱり瀬川涼子の仕業なの?」
「恐らくな。急に連絡がとれなくなりやがった。いつも何か企んでそうな顔してたからな。くそっ!許さねぇ!居場所を見つけてぶっ殺してやりてぇところだ!」
「探偵はもう尾行してないの?」
「この間、もういいって断ったばかりなんだよ。さっき電話したがもう尾行はしてないから分からないしどこにいるか見当もつかないと言われた。クソッ、金を持ち逃げされたからもう近くにはいないかもしれないな。篠原が使えなくなったから警察の動きが分からなくなちっちまったし。結果的にあの刑事は優秀だと言う事だな。うかうかしてられないぜ。」
「へぇ〜、徹が刑事を認めるなんて珍しい事。」
「フフフ、そのほうが やりがいがあるしな。」
しかし田口の運転はいきなり荒くなったのであった。
「まぁいいや。明後日にはオヤジが帰ってくる。そしたら本格的に麻薬販売が始まるからな。持ち逃げされた金は瀬川涼子にくれてやるわ。」
「とうとう帰って来るんだね。」
「ああ。そしたら麻薬で日本を支配してやる。儲けさせてもらうぜぇ。そーいや藤田リナはどうだ?」
「あいつは金に目がないからすぐに落ちるわよ。」
「そうか。オヤジの指名だからな。愛人にしたいってさ。帰国祝いにプレゼントしてやらなきゃな。」
「あいついなくなれば私の天下だからね、モデル界は。早く性欲奴隷にしてあげてね。」
「ああ。」
そして田口は横浜の高級ホテルに向かい愛理と激しい一夜を過ごしたのであった。