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LADY GUN
【推理 推理小説】

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暗殺者・瀬川涼子-4

 渋田に着きロケをしているという場所へと向かう。街中でお洒落な服を着たモデル何人かが撮影を行っていた。その中でも一際輝きを見せているのが高梨愛理だ。くっきりとした顔立ち、見事なスタイルで顔から自信が滲み出ている。色気が他のモデルに比べて群を抜いている。少し離れた場所から高梨愛理を見つめていた。
 するとフッと目があった。その瞬間、愛理は若菜に向かってニコッと笑ったかのように見えた。
 「確かにムカつく女ね。」
若菜はボソッと呟いた。完全に気付いている。しかしやはり逃げも隠れもしない感じだ。若菜の存在に気付きつつも平然と撮影をこなした。
 やがて撮影が終わる。腕組みをして見つめる視線に感じた愛理は見事な余裕のモデル歩きで髪を爽やかになびかせなから若菜の方へ向かって来た。
 「私に何か用事かしら?」
笑顔で話しかけてくる愛理。美しい。近くで見るとその美しさが良く分かる。
 「いや、別に?」
そっけなく答える若菜。
 「そうかしら?じゃなきゃわざわざ上京してここまで来ないでしょう、刑事さん。いや、上原若菜さん?」
やはり知っている。しっかりと若菜の事を認識していた。
 「たまたまよ。人だかりが出来ていたから見てただけよ。」
 「へ〜、上原さんも意外とミーハーなのね。」
 「まぁね。」
若干笑みを浮かべるが目は笑っていなかった。
 「上原さんもモデルやればいいのに。汗臭い刑事なんかやってないでさぁ。それだけ美人なら。」
 「嫌よ。ストレス溜まりそうだし。コカインでも吸ってなきゃやってらんなそうだしね。」
いきなりの爆弾発言に杏奈は慌てる。しかし愛理は平然としていた。
 「やだぁ、怖ぁい♪コカインだなんて吸ったら捕まっちゃうわ。」
あからさまに白々しく言った愛理。
 「田口くん、元気?」
その言葉にも全く動揺しない。
 「暫く会ってないわねぇ。今頃どこに隠れてるんだろう。見つけたら連絡しますね、刑事さん。フフ」
 「けっこうよ。田口徹は向こうから私の前に姿を現す事になるからね。あっちから会いたがるわ、近いうちに。」
 「…」
一瞬だけ愛理から笑みが消えた。
 「わざわざ捕まりに出てくる訳ないじゃないの。」
 「捕まりに来るんじゃないわ?私に復讐しに来るのよ、彼はね。」
 「復讐したいのはあなたでしょ?」
 「まぁね。その前に絶対田口は自分から私の前に出てくるわ?」
 「どうしてよ…?」
若菜は愛理に歩み寄り、杏奈に聞こえないような小さな声で囁く。
 「大事な人等を奪われたら彼、怒るだろうな…。例えば私があなたを…殺す…とか、さ?」
 「ば、馬鹿じゃないの…?」
若菜はニコッと笑い言う。
 「大事な人を奪われるのって、辛いわよ?フフフ…」
そしてゆっくりと離れた。
 「じゃあね、愛理ちゃん。」
若菜は振り返り杏奈とともに去って行った。
 「ハッタリばかり…。痛い目にあうがいいわ、上原若菜…!」
愛理の表情はとても雑誌になど載せられないようなもので若菜を睨みつけていた。


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