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LADY GUN
【推理 推理小説】

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暗殺者・瀬川涼子-3

 小会議室から出てきた若菜に杏奈が話しかける。
 「篠原さんだったの?」
 「はい。でももう大丈夫でしょう。報告はしなきゃならないから自分のした罪は償ってもらますけどね。どっちにしろもう田口は警察の捜査情報を手にする手段はなくなったから、これから我々の裏をかく事は難しくなるでしょうね。なめた行動は出来なくなるはず。ところで宮下さん、高梨愛理の所在は分かりますか?」
 「彼女は逃げも隠れもせずに堂々とモデルしてるわ?今日も雑誌の撮影してるはずよ?」
 「どこでですか?」
 「渋田よ。」
 「そうですか。じゃあ今から会いに行きます。」
 「えっ…?」
確実に田口と繋がっている高梨愛理にいきなり会いに行くという若菜に驚く。
 「先輩の捜査資料を見れば高梨愛理もなかなかナメた性格してます。当然私の顔も知ってるはず。でも私の顔を見て逃げるとは思えません。逆に向こうからやって来るでしょう。私と会った事は田口にすぐに連絡するはず。私、挑発しようと思うんです。もう田口を追うのはやめです。私の前に引き出してやるんです。」
 「き、危険よ。いくらなんでも…」
 「どっちにしろ危険ですから。見つけ出すよりもおびき寄せた方が早く田口と対面できるから。」
 「で、でも…。」
 「とにかく私は今から高梨愛理に会いに行きます。」
 「宣戦布告…?」
 「はい。」
止めても無駄だと感じた杏奈。しかし1人で行かせる訳にはいかない。杏奈も若菜についていく事にした。2人は渋田でロケをしている高梨愛理に会いに向かった。
 電車で移動する2人。若菜の車両には若い女性もたくさん乗っていた。その中でもやはり若菜は同年代の女性に比べると何ともいえない雰囲気がある。ちょうど若菜の隣に立つ女性はお洒落な服を来てスマホをひたすらいじっている。一方若菜は窓の外をじっと見つめていた。
 (背負っているものが違うわね。上原さんだってもっと楽な人生があったのにね…。)
不憫には思うが可哀想だとは思わなかった。その生き方は若菜が選んだ道だし、刑事として懸命に生きる若菜は輝いて見えるからだ。しかし事件解決に急ぎすぎる若菜が杏奈はとても心配だった。


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