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LADY GUN
【推理 推理小説】

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暗殺者・瀬川涼子-10

 無事に日本を飛び立ちフランスに向かった涼子。シャルル・ド・ゴール空港に着いた頃にはもう辺りは暗くなっていた。涼子。にとっては初めての海外である。日本を出る事ばかり考えていて後先の事を考えずここまで来てしまったが、言葉も何も分からない涼子は急に不安になる。幸い日本人客がたくさんいて空港内までは何とかなったが、そこからは一人だ。ホテルも何も予約していない。日本にいた時とはまた違う孤独を感じた。
 「明るくなるまでロビーで過ごそうかな…。」
椅子に座る涼子。ついついウトウトすると人の気配に気付く。ハッと目を開けると外国人が目の前にいた。しかし涼子が目を開けたと同時に急に離れて行った。
 (物盗りかスリか…。ここで寝るのは危険だわ…。)
涼子は起きて朝まで過ごそうと決めた。しかしどうしようもなく眠い。しかし周りを見渡せばスリらしき人間が何人か涼子の様子を伺っているのが見える。重い瞼を必死で上げながら何とか耐えていた。
 (怖いよ…)
涼子は不安でいっぱいだった。しかし睡魔には勝てなかった。瞼がどんどん下がってくる。そして涼子は眠ってしまった。
 やがてフッと目を覚ます。
 (ヤバい!寝ちゃった!)
慌てる涼子。とっさに荷物を確認した。 
 「よかったぁ…!」
奇跡的に無事だった。安心した涼子はバッグのすぐ隣に人の影を感じた。心臓が飛び出そうなぐらいドキッとした涼子はとっさにバッグを抑えた。
 「だから俺が必要なんすよ、あなたには。」
その男から日本語が聞こえた。
 「えっ!?」
驚いて顔を上げる涼子。
 「な、何で…!?どうしてここにいるの!?」
顔を見て驚いた涼子。その顔は間違いなく中島だったからだ。
 「俺、決めてたんすよ。あなたについてフランスに行くって。だからチケット用意して同じ飛行機に乗ったんすよ。」
 「ど、どうして…?」
 「そりゃああなたが好きだから。守りたかったから、ずっと。」
ニコッと笑う中島。
 「もうここまで来ちゃったんだ、しょうがない。一緒にシャンゼリーゼ通りでも歩きましょうよ、明日、ね!」
涼子は自然と涙を溢れさせた。心細さに押し潰されそうだった不安が一気に溢れ出した。
 「バカでしょ!!」
涼子は中島にキスして抱きついた。
 「涼子さんのフェラテクが忘れられなくてさ!」
 「バカ…」
涼子は中島がいてくれれば何とか生きていけると感じた。そして幸せになれるという確信を得たのであった。
 涼子の第2の人生がフランスの地で始まったのであった。


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