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LADY GUN
【推理 推理小説】

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暗殺者・瀬川涼子-9

 東関東自動車道での事故のニュースは中央署に戻っていた若菜のもとにも伝えられたが、事故死した被害者が高田泰明を始めとする家族だという事実が判明したのは夕方18時になってからだった。聞いた事のある名前に署内は騒然となる。
 「今度は高田泰明か。こうも田口に関係する人間が殺されるとはな。同一犯人か…。」
中山が言った。それに若菜が答える。
 「確かに田口に繋がりはありますが、湯島武史と渡辺麻耶は繋がってますが、その2人と高田一家は繋がりません。高田一家は湯島武史がらみの事件とは今のところ接点がありません。高田一家が亡くなって一番悲しむのは誰かと考えた時、それは間違いなく田口です。湯島武史と渡辺麻耶は湯島武史を恨む者の犯行だと推測できますが、高田一家の事件は田口を恨む者の犯行だと予測できます。ま、一番田口を恨んでで高田一家も許せない人間は私ですけどね。私が彼らに復讐する理由が1番あります。」
 「こら、つまらない冗談はやめろ。お前はここにいながら東関東自動車道で人を殺せる超能力者か?」
 「そうかも知れませんよ?」
 「…、とにかく頭を撃ち抜く犯行は共通している。銃弾が同じなら確定だ。どうする?今から潮来警察署に行って状況を確認してくるか?」
 「あ、それなら俺が行きますよ。こいつ最近働きづめだから少しは休ませないと。」
石山が言った。
 「石山さんだって出張続きじゃないですか。」
 「俺はタフだからな。どっちにしろこの3件の殺人は田口というより田口を恨む奴の犯行でしょう。だから犯人を追っても田口にはたどり着かないでしょう。上原に色々押し付けるより、田口逮捕に集中してもらいましょう。」
 「そうだな。じゃあ石山に任せるか。」 「はい。任せて下さい。」
 「ありがとうございます。」
 「気にすんなって。じゃあ準備して行ってきますわ。」
石山は去って行った。
 「上原、今日はもいいぞ?上がれ。」
「はい。ありがとうございます。じゃあお疲れさまでした。」
 「お疲れ!」
若菜は勤務を終えた。署で契約しているタクシーに乗って家まで帰った。
 「あら、今日は早いのね。」
若菜にとっていつも落ち着く笑顔で迎えた麗子。小さな弟達と久しぶりに遊びながら夕飯を食べる。弟達を寝付かしてから風呂に入り麗子と他愛ない会話をして部屋へ上がった。
 ベッドに横たわる若菜。
 「仲間を裏切るのは…つらいわ…。」
そう呟いた。自分が嫌になる。しかし田口の顔を思い出すと若菜は間違った道でも迷いなく突き進む決意を思い出すのであった。
 「それはそうと順調にフランスに向かってるかな、涼子さん。フフッ、フランスに着いたらきっとビックリするわね。」
そう思いながらいつの間にか寝てしまった。涼子がサプライズにどんな顔をするのかずっと楽しみだった。


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