密告の代償-1
第4話 密告の代償
古い団地にある麻衣の部屋。
傾いた陽が、部屋の中を暗いオレンジ色に染めていた。
千帆の告白が終った。
麻衣は呆然としていた。
目の前の千帆は力なく膝をつき、うつむいたままだ。
麻衣は手のひらに汗をかき、心臓はドキドキしていた。
その壮絶な告白に衝撃を受けた。
しかし同時に、千帆の抱えてきた懊悩に共感できるような気もした。
麻衣は、自分が病院で浣腸されて帰宅した日、この部屋でしたことを思い出した。
(このベッド…)
今、二人の横にあるベッド。
この上で麻衣は乱れた。
病院での浣腸を思い出し、自らの尻穴に指を突っ込みながら性の快感に酔ったのだ。
(あの時も、この部屋に千帆がいた…)
あの日、このベッドの上で麻衣は図らずも千帆の目を思い出した。
病院へ行くため、学校の玄関で乗ったタクシー。
その中から見た麻衣を見送る千帆の目。
麻衣がされた浣腸を見透かしたような千帆の視線の下で、麻衣は自ら尻穴に指を突っ込んだのだった。
千帆が振り絞るように話した。
「私、合宿から帰って以来、浣腸を思い出してオナニーする癖がついちゃったの…」
麻衣は自分のことを言い当てられたような気がして心臓が高鳴った。
「そして、このまえ麻衣の浣腸を知っちゃって…。頭から離れなくなっちゃって。麻衣のは、どんなだったんだろう?私の時と同じだったのかな?って、想像して。そしてオナニーを…。」
麻衣は愕然とした。
(私とまったく同じだ)
運命的なものを感じて頭がくらくらした。
ポタッ…