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透明な滴の物語V
【同性愛♀ 官能小説】

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千帆の告白-5

子育てが一段落してから母校の仕事に就いたが、学生時代に優秀な選手だった腕前は衰えていなかった。

コーチはトイレから出てきた千帆を見て足を止めた。
様子がおかしい。
涙ぐみ、ジャージのズボンの上から下腹をさすっている。
「千帆さん、あなた、大丈夫なの?」
見つかってしまった千帆は、あわてて下腹を押さえていた手を下ろした。
「…大丈夫です。すみません、コーチ」
その声はうろたえていた。
健康そうに日焼けした顔だが、よく見ると、隠せない肌荒れが滲み出ている。
スリムな身体をしているだけに、ジャージの下から膨らんだ下腹部が目立った。

女の直観が働いた。
「千帆さん、もしかして出ないの?」
千帆の目にまた涙があふれてきた。
「はい。すみません…」
「何日くらい出てないの?」
「合宿に来てから、まだ一度も…」
コーチはため息をついた。
「それのせいだったの!?千帆さん、身体の動きが日増しに重くなってきていたから」
コーチは悪い人ではなかったが、すべてをテニス中心に考える傾向があった。
仕事熱心なのは良いのだが、その目的に沿わないことは彼女にとって邪魔な要素でしかなかった。
今回の仕事は、合宿でテニス部を強化することである。

「それで、千帆さん、出そうなの?それともまったくダメ?」
「ダメなんです。それに、昨日くらいからお腹が痛くなってきて、今日はかなり痛いです」
コーチは頭をかきむしった。
千帆は大事な主力選手である。
便秘に邪魔されるなど想定外のことだった。
「うーん、困ったなぁ…。それ、出さなきゃ治らないわよ」
「コーチ、本当にすみません」
「仕方がないわね。電話で学校に相談してみます」



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