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透明な滴の物語V
【同性愛♀ 官能小説】

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千帆の告白-4

千帆にとっては中学最後の夏合宿だった。
しかし、真夏なのに高原の夜は思ったより寒く、千帆は初日から風邪気味になってしまった。
それに加えて、生活環境の変化が千帆の身体に異変をもたらした。
合宿に来てからまったく排便できないのだ。
千帆は、日に日に重くなっていく下腹に不安を募らせた。
自分の便秘がなんとなく恥ずかしく、誰にも相談できなかった。

この日の夜も、千帆は宿泊所の共同トイレで格闘していた。
高原の夜は真夏でもひんやりしたが、千帆はトイレの個室で汗だくになっていた。
皆と食べる夕食は楽しく、つい食べ過ぎてしまう。
食べている時は忘れているのだが、食後に一人になった時、下腹の重みとともに身体の危機を思い出す。
(もう6日も出ていない)

どうしても合宿中には排便できそうにない。
だったら、溜めこんでおき帰ってからまとめて出せばよいと考えた。
しかし、それは浅はかな考えだった。
やがて下腹部が張ってしまい、テニスの動きについていけなくなってしまった。
合宿はあと4日も残っているのに、先に下腹が悲鳴を上げたのだ。
腸は膨満し、鈍痛をともなって千帆に訴えてきた。

「ウウ〜ン…!ハァ、ハァ…」
額に汗をかきながら踏ん張るが鈍痛の原因となっている便は出てこない。
孤独で心細い闘いは終わりがないように思えた。
「おなか、痛い…」
不安のあまり、周囲の様子すらいつもと違って見える。
トイレの蛍光灯がなぜか薄暗くなったように感じるのだ。
踏ん張る力を出すための呻き声は、やがて弱々しいすすり泣きに変わった。

1時間もすると足腰が痺れて痛くなってきた。
白いTシャツの半袖で汗と涙を拭う。
麻衣は不安に打ちのめされながらトイレを出た。

廊下に出ると、たまたま歩いてきたテニスのコーチと出くわした。
彼女はこの女子校テニス部のOGであり、今はアルバイトとして後輩を指導していた。



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