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LADY GUN
【推理 推理小説】

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明かされる全貌-4

 気持ちを落ち着かせて聴取を続ける若菜。
 「あなたたち覆面レイプ集団の中で、Bithday of godと呼ばれた動画があったでしょう?当然知ってるわよね?」
 「はい。」
 「調べてはそれが神と呼ばれた男、湯島武史がレイプを繰り返し犯すようになった初めての犯行だと言う事が分かったわ。間違いない?」
 「はい。俺達覆面集団のバイブル的存在でした。それを見て神の偉大さを誰もが抱きました。ある意味もはや宗教的でした。その動画には女に対する憎悪の全てをレイプではらす物凄い光景が映ってました。それを見た男達は誰もが崇めました。そして神を尊敬する男達が後を絶たなくなり覆面はどんどん増えて行きました。」
 「ここで被害にあってるのは美山静香という当時城南署の刑事よね?」
 「その時は俺はまだ湯島さんと出会っていなかったんで、そこまでは…」
 「じゃあなぜ彼女がレイプされたのかは知ってる?」
 「それは…、電車の中で警察がしていた痴漢のおとり捜査に怒りを感じたからだと…。」
 「どう言う事?」
 「女性の刑事…、恐らくそれがその美山静香って刑事なんでしょうけど、わざと際どく刺激的な服装をして電車に乗り、自分に痴漢してきた男を周りに張っていた複数の刑事が逮捕するといったおとり捜査をしていたらしいんですよ。わざとそんなかっこをして男を興奮させて痴漢を誘発する捜査方法に怒りを感じたそうです。やり方が汚いと。あれでは痴漢なんてする気がなかった男でもしたくなってしまうと。」
若菜は石山に聞いた。
 「おとり捜査は通常やってはいけない事ですよね?石山さん、そういう捜査をしていた事、あったんですか?」
 「ああ、確かに行き過ぎた痴漢捜査があったな、その頃。そう、城南署の女刑事…、いや、そうだ、美山静香だ。間違い無い。思い出した。そん時同僚が言ってたよ。狡い方法で痴漢を検挙してた罰が当たったんだって。」
当時を思い出した石山。若菜が一連の捜査資料をしっかりと確認している事に対し自分の曖昧な記憶に頼る発言に恥ずかしさを感じた。
 「それが真実ならその捜査は違法ね。湯島の言っている事は間違いはないわね…。」
意外と冷静な若菜に石山らは驚く。
 「くわえて誤認逮捕されそうになったのが決定打だったそうです。その女刑事が湯島さんの手を掴み確保したらしいんですが、張っていた刑事達は別な男の犯行を確認していてそいつを取り押さえたと。結局女刑事の勘違いと分かり謝罪を受けたらしいんてすが、その瞬間、レイプを決意したと。それで深夜に帰宅途中のあの河原の小屋に連れ込んでレイプした…、その時の映像だと言ってました。」
 「田口が殺害した婦警を遺棄したあの小屋ね…?」
 「はい。あのニュースを見た時、ドキッとしました。犯人が田口ではないかとピンと来ました。湯島さんはあの小屋でレイプ、しかし自分は殺人だぞというアピールにしか見えなかった。俺は神を超えた新たな神だと誇示しているように思えてならなかった…。」
 「なるほど、そういうメッセージがあった訳ね…。」
淡々としている若菜が不気味だった。


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