セックス-17
「んん…んっ…」
悩ましげな表情をして俊介を見つめる若菜。俊介の両手を握り締めながら性器を擦り合わせる。
「ああ…静香…」
「俊介…。」
あの時当たり前であった事が今はもう叶わない愛の交わり。たとえ一時でも夢でもいい。静香と繋がっていられれば…、俊介はそう思った。
「静香はずっと俺の心の中で生き続けるんだ。俺は静香が好きだ。愛しているよ…。たとえ肉体に触れる事ができなくても魂はいつも静香のそばにいる。」
「ハァハァ、俊介…。私の事は忘れて新しい道を歩んで…。ね?」
「忘れるもんか…。俺は静香とともに歩き続けるんだ。もう迷わない。」
「ああん…、ありがとう…俊介…」
若菜の腰が軽快に動き出す。まるで熟練した女の腰つきのようだ。若菜の膣に圧迫され潤沢な潤いに摩擦が快感を増させる。俊介はのペニスの奥から熱いものがうごめき、一気に登りあがる。
「ああ…!静香…!!」
若菜の体も頂に向かい燃え上がる。
「ああん!俊介…!」
「静香…!愛してる…!」
俊介から噴射された精子が勢い良く子宮に衝突した。
「俊介!愛してる…!」
子宮を包みんだ精子に最高の快感を得た若菜も絶頂する。体を伸び切らせ、そして一気に脱力する。
「ああん…あっ…」
ピクッ、ピクッと痙攣する若菜の中に俊介の精子がドクドクッと注入される。2人はエクスタシーを共有し、強く抱き合いながら体をゆっくりと擦り合わせていた。
夢のような時間を過ごした俊介。目を開けると腕の中にいるのは紛れもない若菜だった。夢てないならばとうして若菜が静香に思えたのか全く分からなかった。
「ハァハァ…俊介さん…」
若菜はゆっくりと目を開ける。
「若菜ちゃん…。静香になりきってくれてありがとう。」
若菜の頭を撫でた。
「え?何の事ですか…?」
「あ、いや、ほら…、人を恨むなって。恨んでも憎しみしか生まれないからって。」
「…私、そんな事言いました…?」
「えっ…?」
「私、バックの時にはすでにイッてしまって、その後の事、覚えてないんです…。ハァハァ…」
「えっ…?」
奇妙な感覚を得た。
(静香が若菜ちゃんの体に乗り移った…とか?まさかな…)
しかし若菜が嘘を言っているようには見えない。かと言って霊的な物も信じる気はない俊介。自分の考えすぎだと思い、ふと飾ってある静香の写真に目をやる。
「あれ…?」
俊介は目をこすりもう一度確認した。その写真は静香が気持ち良く笑っているものを飾っていたが、何故か穏やかな笑顔を浮かべ、まるで見守るような微笑をうかべている写真に見えたからだった。
(静香…)
俊介の目から一粒だけ涙が零れた。