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LADY GUN
【推理 推理小説】

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セックス-16

 バックはバックでも様々な体位がある事を教えられた若菜。俊介が片膝を立ててみたり、上半身を引かれて浮かされてみたり、床に押し潰されるように挿入されたり、背後からのセックスをたっぷりと教えられた。
 「ああん…奥…まで…入ってる…」
奥まで差し込まれている挿入感を得られるのは圧倒的にバックからの体位が多かった。
 (バック大好き…!)
口には出せない喜びの言葉を若菜は心の中で叫んだ。
 すると再び体を反転させられ両手首を掴まれる。そして俊介が若菜の腕を引きながら背後について倒れた。
 「ああん…!」
すると俊介に馬乗りになる自分に気付いた。
 「ああん…」
上から俊介を見下ろす若菜。その瞬間、何とも言えない胸の躍動を感じた。
 騎乗位の魔力…、女が男を支配出来るただ一つの対応、それが騎乗位だ。若菜は俊介…、いや全ての男を支配した感覚を得た。
 「俊介…」
若菜の顔つきが変わった。それまで恥じらいがちな表情ばかり浮かべていた若菜が自信に溢れた顔で俊介を見下ろし髪をかきあげた。そして上体を倒し床に手を突き俊介の顔の目の前でじっと見つめながら腰を妖艶にくねらせ始めた。
 「ああ…」
ゾクッとさせられた俊介。静香もそうだった。騎乗位の時だけはいつも自分を圧倒した。まるで静香が蘇ったかのようだ。若菜が完全に静香に見えた。
 「俊介…愛してるよ…?」
 「静香…」
物凄い愛情を感じた。痛いぐらいに胸に突き刺さる。いくら胸をいっぱいにしても足りないぐらいの愛情…。溢れんばかりの愛情と、そしてほんの少しの切なさに俊介は包まれた。
 若菜の唇が重なってきた。俊介のペニスを柔らかく温かい愛で骨抜きにしながら舌を絡ませる若菜。俊介の瞳からふと涙が零れた。
 「俊介…、悲しまないで…?私はずっとあなたのそばにいるから…」
 「…し、静香なのか…?」
目の前にいるのが若菜である事に変わりはない。しかしこの感覚…、静香そのものだった。俊介は夢なら覚めないでくれ…、そう願った。
 「俊介、誰も恨まないで…。それよりも大切な人を守る事を考えて欲しいの…。俊介はそれが出来る人だから…。」
 「し、静香…なのか?」
目を丸くして問いかける俊介に目の前の若菜は否定も肯定もしなかった。ただ愛おしそうに俊介を見つめていた。
 「どんな時だって私は俊介を愛してる…。例え身がボロボロになっても心だけは誰にも奪われない。私は俊介だけを愛してる。」
 「お、俺もだ!俺は…あの時…」
俊介の言葉を唇で遮る若菜。
 「分かってる。分かってるから…俊介…。」
 「静香…」
胸が張り裂けそうなぐらいに愛しさ溢れる微笑を浮かべた若菜はゆっくりと上体を起こし腰をくねらせる。
 「ああ…!」
感触が静香そのものだった。俺は今、静香とセックスしている…、そう確信できる程であった。夢か現実か…、それとも若菜の演技なのか判断てきないが、そんな事はどうても良かった。俊介は若菜をじっと見つめ、静香の愛情に包まれながら身を委ねていたのであった。


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