投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

LADY GUN
【推理 推理小説】

LADY  GUNの最初へ LADY  GUN 284 LADY  GUN 286 LADY  GUNの最後へ

セックス-18

 セックスに燃え、それに出張帰りも重なり体にだるさを感じた若菜。暫く俊介の体の上で甘えるように頬を胸にピタリとつけたまま目を閉じていた。
 静香への思いと若菜とのセックスの整理がつかない俊介は少し考え込んでいたが、ふと重大な事に気付いた。
 「あ…ヤバい!若菜ちゃん、な、中に出しちゃったよ!!」
若菜の中で果てた事を思い出した。若菜は全く動じなかった。ゆっくりと目を開けニコッと笑いながら言った。
 「大丈夫です…。ピル飲みましたから…。」
 「えっ…?」
驚く俊介。
 「だって先輩が俊介さんはゴムつけた事がないって言ってたの覚えてたし、生でしてできちゃったらマズいもん。だから万全な準備をしてたんで大丈夫です。」
 「そ、そうなんだ…。」
若菜が一枚上手だった。しかし余裕がある訳ではない。行為が終わると裸を俊介に見られるのが恥ずかしくなってしまった。だから体を密着させ見られないようにしていた。
 「俊介さん、シャワー浴びてもいいですか…。」
 「あ、ああ。ちょっと待ってて?」
俊介は若菜の体を丁寧に下ろしシャワーの準備をする。そしてバスタオルを持って帰って来た。
 「ありがとうございます。」
若菜はバスタオルを体に巻きつけ浴室へ向かう。バスタオルを外し浴室に入った瞬間、性器から何かがドロッと垂れてきた事に気付く。それを指ですくい目の前に持ってくる。指には白くネバネバした液体が付着していた。
 「精子…」
ドキドキしてしまった。精子を見つめていると俊介とのセックスを思い出した。
 (セックスって…気持ちいい…。オナニーよりも全然興奮する♪)
男に抱かれる快感を覚えた。
 シャワーを終えバスタオルを巻きつけ部屋に戻るとソワソワしながら俊介が待っていた。
 「若菜ちゃん…あの…」
若菜は俊介の言葉に重ねるように言った。
 「私、後悔してませんから。俊介さんとセックスして良かったって思ってます。」
 「えっ…?」
濡れた髪をアップにしている若菜に色気を感じた。そして若菜はスッと立ち上がり静香の写真の前に立つ。
 「俊介さん、お願いがあります。」
 「え?な、なぁに??」
若菜は写真の前に置かれていたある物を手にした。
 「これ、私に下さい。」
 「えっ…?」
若菜が手にしていたのは俊介が静香の為に買った婚約指輪だった。事件が解決したらプロポーズするつもりだった。しかし願いは叶わなかった。その指輪を毎日見つめて胸を苦しめていた。
 俊介にとって大事な物だ。静香への愛の全てが詰まっている。もう役割を果たせないとはいえ大切な大切な指輪だ。俊介は戸惑った。が、しかし…。
 「ああ。いいよ。」
そう答えた。なぜならさっき幻想で静香が大切な人を守れと言ったのは若菜の事なのではないかと考えたからだ。愛情の詰まった指輪をした若菜を守る事こそ静香を守れなかった自分のリベンジなんだと思った。
 簡単にいいよと言った訳ではないのは若菜には十分理解出来ていた。しかし若菜は敢えて軽く答えた。
 「ありがとうございます♪」
嬉しそうに指輪を見つめる若菜に俊介は思った。
 (これでいいんだ…)
と。
 再び静香の写真を見ると、気持ち良く笑っている写真に戻っていたような気がした。


LADY  GUNの最初へ LADY  GUN 284 LADY  GUN 286 LADY  GUNの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前