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鳳仙花
【その他 官能小説】

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鳳仙花-4

(4)


 その夜、ぼくの頭の中はまるで真っ赤に燃える石がめり込んだみたいにかっかとして、一つのことしか考えることができなかった。他の思考が入る余地がまったくなかった。
(葉月に触る……)
欲望が極まって抑えようがなくなっていた。その昂奮の源はむろん彼女の裸を見た衝撃であったが、この夜の母の言葉が軟体動物のように性器に感覚されて昂奮を煽った。

 食事が済んで居間を出かかると母が葉月を呼んだ。何事かと見ていると、母はぼくに二階に行くように厳しい顔で言った。
 階段を上りかけて、耳をそばだてた。
「あなた、中学二年でしょう。ブラジャー持ってないの?」
「あります……」
「なんで着けないの?」
「なんか、暑いし、窮屈で……」
「あのね、シャツ一枚で、みっともないわよ。自分でわからないの?オッパイが見えてるようなものなのよ。男はみんなそういうところを見てるの。きちんとしないと」
「すいません……」
「もう子供じゃないんだからね。生理あるんでしょ?」
「はい……」

(男はみんな見ている……オッパイ……生理……)
やり取りを聞きながら、妖しい夢想が滲んでいった。

 ぼくがとった行動はかなり大胆で卑劣なものだった。
風呂から葉月が部屋に戻ると、意を決して襖を開けた。葉月は慌てて蹲って背中を向けた。上半身裸であった。手に持っているのはブラジャーのようだった。
 下着を着けようとしていたのだろう。
(昨夜は平気だったのに……)
後から考えるとブラジャーを着ける行為そのものに恥じらいがあったのかもしれない。

 むっとした部屋の空気が流れてきて冷風と混ざり合っていく。
「開けとくよ」
葉月は返事をしない。ぼくは襖を閉めずに彼女を見つめていた。

「こっちの部屋、涼しいよ」
「うん……」
「こっち来いよ」
葉月は横顔を見せ、
「風くるわ」
「いいから来なって。こっちでやれよ」
押し殺した強い調子で言った。

 彼女は後ろ向きのまま立ち上がると、
「これだけ着けちゃう」
ブラジャーを見せた。ぼくは近づいていった。
「見せろよ」
頭に血が昇った。
 肩を掴み、引いた。
「見せろよ」
一瞬脅えたように見開いた葉月の瞳はすぐに伏せ目になって観念したように胸を被っていた腕が下がっていった。

 乳房!
(きれいだ)
瞬時、そう思ったのは確かだが、ぼくの手はほとんど同時に膨らみを掴んでいた。
「あ……」
身を引いた葉月の腕を押さえ、
「触るだけだよ。それぐらいいいだろう」
葉月は抵抗することもなく、ただ、
「乱暴しないで……聴こえちゃう……」
消え入るような声で言った。

 ぼくの布団に座った葉月は顔を隠すように項垂れたまま横になった。
乳房を両手で包んだ時、彼女の体が痙攣したように強張った。
 葉月の体温が掌に伝わってくる。しぼみかけた風船みたいなやわらかさと肉の弾力。そのえもいわれぬ感触にぼくは酔いしれた。
 葉月の顔がかすかに歪みを見せている。

(ああ……)
乳房に顔を埋めていった。乳首は唇で挟めないほど小さい。舐めながら吸い上げた。
「痛い……」
苦しそうな表情を見せた。
「気持ちよくない?」
「強すぎると、痛い」

 パジャマに手をかけた。身をよじった葉月はぼくを見つめ、
「見るだけにして……」
強さを感じる目の輝きがあった。
そして自ら腰を浮かせた。

 下着も一緒に引き下ろした。
(大変なことをしている……)
意識の片隅に想いがありながら行動は止まらなかった。

 現われた下半身は衝撃であった。十四歳、幼い面立ち、小さな胸。そこから描いていた様相とはまったく違ったものだった。
 局部は黒々と繁茂し、そこは大人の股間であった。
(自分より濃い……)
 圧倒された。それは、まだ幼さの残る体にそぐわない、不均衡さに戸惑ったからかもしれない。

 あられもない姿を見せながら葉月の顔にはさほどの恥じらいは窺えない。いや、やや赤みを帯びた目元は堪えているのか。

「あたし、いっぱいでしょ?」
「いっぱい?」
「毛が……。プールで着替えした時、みんなよりいっぱいで恥ずかしかった……」
(やはりまだ幼いんだ)
これは後に考え及んだことである。
陰毛が濃くて恥ずかしい。裸を見せることよりもそこに恥じらいが集中していたのだろう。しかしその時のぼくは、ただ生々しい『オマンコ』に魅入られて息を呑むばかりだった。

 脚を閉じているので裂け目の中は見えない。陰毛の直下のY形はふっくら盛り上がって神秘の扉となっていた。
(これが……オマンコ……)
顔を近づけていった。

「もう、いい?」
葉月が吐息のような声で言った。顔は天井を向いたままである。
「もう少し」
胸の上下の動きが速くなっている。
「開かないと、見えない」
溜息が洩れて顔が歪んだ。

 ほんの少し、脚が開いた。
「もっと」
脚に手をかけようとした時、慌てて手を引っ込めた。葉月も跳ね起きた。階下でぼくを呼ぶ声が聞こえたのだ。
「ちょっと下りてきて」
「いま行く」
葉月は脱いだパジャマを掴むと四つん這いで隣室に入って襖を閉めた。後ろから見ると意外に尻が大きくて割れ目がすべて見えることを知った。

 母から、明日墓参りに行くことになったと言われた。
「明後日のつもりだったけど天気が悪いみたいだから」
どうする?と訊かれ、高校野球を観たいからと断った。何か言われるかと思ったらすんなり頷いた。
「あの子一人で留守番じゃ何かとね」
葉月を連れて行く気はないらしい。
「他人の子だからね。うちのお墓に行ったってしょうがない」
(二人きりになれる……)
ぼくの心には入道雲みたいな感情がもくもくと湧き上がってきていた。

 





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