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困った子
【熟女/人妻 官能小説】

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困った子-5

 誠は素直で思いやりのある性格である。そして従順。性欲は横溢するほどあるだろうに、私に無理な行動をしかけたりはしたことがない。私の要求に従い、私の行為を受け入れ、幸福感に満ちた歓びを私の前にさらけ出す。それだから可愛くてたまらなかった。

 大学が決まり、学生寮に入ることが決まったと聞いた時、私は彼との関係を思い描いて一人ときめいたものだ。だって同じ東京。会う機会は当然増える。誠も大人。そうなれば繋がりも深くなっていく。
(まこちゃんをうんと可愛がってやろう……)
そろそろ私の体を見せる時期かな……。わくわくしていたのである。
 ところが誠がうちに来たのは、入寮の日と、入学式の前日義父と一緒に泊まりに来ただけ。それからは電話もかけてこなかった。

「まこちゃん、どうしたのかしら」
夫にさりげなく言うと、
「学生生活を満喫してるんじゃないか。初めての東京だからな」
「それならいいけど……」
少しもよくはなかった。心配で仕方がない。不安になってくる。
(彼女が出来て、その娘と……)
想像すると居たたまれなくなった。
(母親みたいな気持ち……いや、恋人か……)
ふたつミックスした想いが時に狂おしく揺れた。
「法学部って、勉強大変なの?」
「知らないけど、あいつ司法試験受けたいって言ってるからな」
「無理していなければいいけど」
「大丈夫だよ。食事は寮で出るし。もう子供じゃないんだから」
(だから、心配なのよ……)
いつでも来ていいのよ、まこちゃん。……

 私に対して自分から何も求めてこないのは節度を守っているということだろうか。義理の姉、兄の奥さん。許されないことだと絶えず戒めをもっているのだろうか。だが、性的欲望は途切れずに膨らんでいく。だから私の誘いには抗うことができない。
 思えば私が誘導して彼が身を委ねている。私の『許可』がおりるまでじっと耐え忍んでいる。
(性器に触れてきたこともないな……)
まこちゃんが寝ている間に指を借りたことはあったけど。
(ふふ……)
たぶん触りたいにちがいない。
(今度、触らせてあげる。いえ、触ってもらう。……)

 この時期は私が流産を経験して二年ほど経った頃である。気持ちも切り替え、失意に沈むこともなくなって以前より肉体が熟した、と自分でも感じるほどになっていた。だからこそなおのことまこちゃんが気になっていたのである。
 妊娠、流産……。生々しい女の現実が誠の心を萎縮させていたのだろうか。
 私の中で日に日に鬱積していく誠への情愛が、劣情となっていった。

 私の心配が取り越し苦労だとわかったのは夏休みのことだ。会うのは四か月ぶり。まこちゃんじゃないくらいに青年に見えた。
「こいつ、在学中に司法試験に挑戦するって頑張ってる」
義父は嬉しそうに言った。
「勉強もいいけど、体に気をつけてね」
誠は照れたように頷いた。初めて会った時の表情を思い出した。
「お友達は出来たの?」
「はい。寮で同じ目標の仲間がいて、切磋琢磨してます」
「まあ、すごい」
「真理奈は母親みたいだな」
言われて、複雑な想いをもてあましていた。
(勉強に打ち込んでいたんだ)
それを知ってほっとしたものだ。

(ペニスも大きくなったかしら……)
部屋に行って、フェラ……。とも考えたのだが、何となくそんな雰囲気ではなかった。私たちが帰る日、部屋でほんの少し、話をした。
「まこちゃん、たまには遊びに来てね」
「はい……」 
「おねえちゃんのこと、忘れちゃった?」
「忘れてないです」
「ほんと?」
「毎日、思い出してる……」
「毎日?」
夫の呼ぶ声がして私たちは微笑みを交わし合った。


 それからも誠が我家を訪れることはなく、想いは募りながらもどうする術もなかった。
『毎日思い出してる』……。
本当だろうか。思い出してるっていう意味はなんだろう。
(オナニーかしら?……)
想像をすると誠の姿が浮かぶ。ペニスを握った誠の姿。扱いている。私を思い描いて扱いている。きっと、そうだ。そうであって欲しい。
(私のどこを?)
唇?オッパイ?太もも?それとも、まだ見せていないところ?……

 目をつぶって妄想を巡らせているうちに、私はソファに横になってパンツに手を差し入れていた。
 指はいつか誠の幼い指になっていた。
(あの時、擦った小さな指……)
「ああ……まこちゃん……」

 体が燃える。極まってくる。すると指は大人になった誠になって、さらにペニスに変わっていった。指を差しこみ、彼がのしかかってくる。
(まこちゃんのおちんちん!)
入ってる!入ってる!
私は全身を突っ張って達した。
(まこちゃん……)
心に抱く誠の顔はこの時はっきりとは浮かんでこなかった。
 

 


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