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困った子
【熟女/人妻 官能小説】

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困った子-6

 私が誠の前に全身をさらけ出したのはそれから一年余後、彼の成人式の年である。

「成人のお祝い、スーツ作ってあげようよ」
「そうだな。就活にも必要だし」
夫に言うと賛同してくれた。
「まこちゃんスーツ持ってるの?」
「いや、ブレザーしかないと思う」
「じゃあ、就活用とビジネス用と二着」
「任せるよ」
「デパートがいいわね。都合訊いておいて」
「自分で訊いて二人で行って来てくれよ。買い物は苦手だ」
「それなら平日にしようかな」
「その方が空いてるよ」
誠の携帯に一度もかけたことはないし、彼からもない。番号は互いに知っているのだが、意識が先に立つようになっていて何度も迷いながら出来なかった。誠も同じ想いだったと思う。

「お昼は何か美味いものでも食べてこいよ」
「そうしようか」
さらに誠と会う前日になって、
「明日、大阪に日帰り出張になったよ」
帰りは最終便の予定だから晩御飯はいらない。長引けば一泊になるかもしれないという。
願ってもない話になった。
(夜まで時間がある……)
埋もれていた私の決意がはっきり顔を覗かせた。

 浮き立つ気分だった。
(恋人との初デート……)
それ以上の燃える想いがあった。なにしろ『誠とセックスをする』つもりで会うのだから。……つもり、ではなかった。絶対に……。二人で出掛ける、時間はたっぷり、そしてまこちゃんは私に好意を持ってくれている。きっと、そう……。毎日思い出してるって言ってた。……

 デパートの専門店で服を買った。すごく楽しかった。量販店で十分だって誠は遠慮したけど、せめてイージーオーダーでと、私が上質の生地を選んだ。
「こんないい服、ぼくにはもったいないなあ」
「いい仕立ては長持ちするからね。出来上がりは一週間後。都合のいい時に取りにいってね」
「ありがとう、おねえちゃん」
子供の頃の笑顔が甦った気がした。

 昼食を終え、カフェを二軒はしごして、久し振りに話が弾んだ。
外は薄暮になり、決断の時が迫っていた。
 店を出てさりげなく話しながら、さすがに気持ちが昂ぶった。

「まこちゃん、付き合ってる人、いるの?」
「そんなのいないよ」
「好きな子、いないの?」
「高校の時、いたけど、付き合ったことないから」
「一度もない?」
「うん……ぼく、もてないから」
「そんなことないよ。まこちゃん、すてきよ」
「そんな……」
誠の照れ笑いが途中で消えた。

「まこちゃん……経験ある?」
意を決して訊いた。
「経験?」
「うん……」
「経験って?」
「女の人……」
誠は俯き、
「やだなあ、おねえちゃん……」
ぎこちない笑いは複雑な表情を滲ませていた。
「どうなの?教えて」
私はちょっと昂奮していた。
「ないよ。あるわけないじゃん」
「ほんと?おねえちゃんには隠さないでいいのよ」
「ほんとだよ。一度も誰かと付き合ったことないもん」
「でも、いろいろ、経験する所だってあるでしょ?」
「そんなとこ、行かないよ」
誠は口を尖らせて言った。

 街のネオンが瞬き、並んで歩く私たちの肩が触れ合う。
「ごめんね、変なこと訊いて」
「ううん、いいよ……」
駅に近づいていく。
「まこちゃん……」
「何?」
「おねえちゃん、お祝いしたいの」
「うん?もうもらったよ。あんないい服」
「そうじゃないの。私からの……私だけの、お祝い……」
誠の歩みは遅くなり、言葉は返ってこない。
『私だけの、お祝い……』
それだけで誠には意味がわかったのである。
「受けてくれる?」
横目で誠が頷くのが見えた。


 ベッドで誠を抱きしめた瞬間、私の脳裏には彼が少年だった頃からの記憶が映像となって流れていった。
「まこちゃん……」
「おねえちゃん……」
体つきは大人になってにおいも少年の甘酸っぱさはない。
「大きくなったね」
どうしていいかわからないのか、誠の手は伸ばしたまま触れてこない。私を抱えるように導くと背中にはりついて力がこもった。

「初めてなのね?」
「うん……」
「おねえちゃんでいいの?」
「おねえちゃんがいい。ずっと、ずっと思ってた」
「ありがとう……」
細いけれど筋肉のついた腕、背中をさすり、私の手は滑るように『男』に触れた。
「おねえちゃん……」
(立派だわ)
木材みたいに硬い。ズキズキ脈打って私の手に情念を訴えているようだ。

 乾いた唇にキスして舌で湿らせた。眼差しには不安の色が窺えるものの、悦びに潤んでいる。
「好きなところ、触っていいのよ」
誠の唇にぎこちない微笑みが浮かんだ。
 おずおずと乳房が掴まれた。
(うう……)
乳首から快感が走って、閉じた秘肉が瞬く間に潤っていく。
 胸を迫り上げ、誠の顔に近づける。彼の目が閉じて乳首に唇が触れた。
「ああ……まこちゃん」
体が痺れ、頭の中が一瞬空白になった気がした。そして私は女となって誠にのめり込んでいった。

 彼を導くというより互いに溶け合おうと無意識に求め、自身をさらけ出していた。
舐めるところを指示し、誠の唇を全身に這わせて淫液を垂れ流して声を上げた。開脚してあられもない姿を晒して氾濫した秘唇に誠を挟みつけ絶頂に泣いた。そして痙攣の治まらない中で誠を迎え入れたのだった。
「おねえちゃん!」
「まこちゃん!」
私の胎内で、誠が男として激しい唸りを発していた。




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