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LADY GUN
【推理 推理小説】

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病んだ精神-13

 「おはようございます。」
翌朝、約束の時間にロビーに降りてきた若菜。とても卑猥なオナニーに更けた夜を過ごした女とは思えない程に凛とした素晴らしい女性の姿だ。レストランに入るとすでに石山がいた。テーブルにつきコーヒーを飲みながら手を振る。
 「おはよう!飲むか?」
 「はい。」
石山がコーヒーを頼んだ。
 「上原、昨日は静かだったな、珍しく。」
どうやらすぐに鼾をかいて熟睡したみたいた。
 「石山さんこそどうだったんですか?」
 「お、俺は一応呼んだけどなんだか疲れてさぁ、一緒にビールを飲んで貰っただけで帰しちゃったよ。その後はぐっすりさ。」
 「そうだったんですか。(ウソツキ♪)」
若菜は敢えて突っ込まなかった。その後雑談をしながら朝食をとる。
 窓の外を見ながら言う若菜。
 「もう出勤時間帯なのにあまり人がいませんね。」
 「まぁ仕方ないよ。働きたくても働けない人らはたくさんいるだろうからな。」
 「でもここらは津浪被害もなく避難区域でもありません。もう少し人がいても良さそうですけど。」
 「それだけ避難区域からこの中心街に働きに来てた人等がたくさんいたって事だろう。月50万も貰ったら、そりゃ労働意欲も下がるさ。」
 「たいして変わらない場所に住んでいながら補償金が出る人と出ない人がいる…、たしかに人情的には僻みが渦巻く事も納得出来ますね。」
 「ああ。それでも人を妬んだり見下したりしてはいけない。金の亡者になったら終わりだ。しかし一度金の亡者になってしまった人間はなかなか元には戻れない。田口徹もそんな人間だ。元々は普通の人間なんだ。しかし元に戻るのは難しいだろう。刑務所の中で次第に元通りにしてやるのが俺達の仕事さ。」
 「ですね…。」
そう言って窓の外を見た若菜の目には熱く照りつける太陽の光で怖いぐらいにギラギラとしていたのであった。


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