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LADY GUN
【推理 推理小説】

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売春区域-1

 いなぎ市出張は一週間の予定だ。昨夜いなぎ市入りし、正式には今日が初日だ。朝9時にいなぎ市中央警察署を訪れた。
 「昨夜はいきなりお疲れ様でした。今日から宜しくお願いします。」
署長の岸田進が石山と若菜に握手をする。2人の捜査に協力するのは西川警部補だ。改めて挨拶をする。
 「しかし素晴らしいですね。全国警察官技能検定競技大会で優勝するなんてなかなか出来ないよ。」
署長の岸田が褒め称えた。
 「いえ…」
照れる若菜に西川が驚く。
 「君があの上原若菜刑事ですか!!お、驚いた…。こんな若いお嬢さんが…。」
 「そんな…大袈裟ですよ…。石山さんに鍛えて貰った賜物です。」
偶然、たまたま、まぐれ…、そんな言葉を使わなかった事に自信を感じたし好感が持てた。
 「出張期間内に、少しでもお時間があれば我々の署員にもご指導していただきたいですね!」
 「そうだな。もし時間が作れるのならお願い出来ますかな?」
署長のお願いに若菜は即答する。
 「是非!」
特に女性署員に指導を行いたいと思った。もはや貴重となった女性警察官を男性にも負けないレベルでどんどん増やしていきたいと願う若菜。女性でなくても警察の為に力になるなら寝る暇なんてなくていいとさえ思っている。いなぎ市中央警察署には3人の女性警察官が残っていた。その内婦警は1人、他の2人は事務系である。その婦警、南山渚を後で紹介させてくれと署長からお願いされた。
 まず石山と若菜はここ1年の事件記録を調べる。避難地域では圧倒的に窃盗が多かったが、逮捕された人数はごくわずか。殆どが未解決になっている。そして最近は強盗強姦事件が急増している。こちらもまだ犯人が見つかっていない事件が殆どだ。泣き寝入りしている被害者を入れればその数は更に増えると予測された。
 違法薬物がらみの事件に注目して調べを進めているが、今のところ見あたらなかった。
 「ないというよりも麻薬捜査を行っていないからとも取れますよね?」
 「そうだな。飲酒運転すらようやく再開できたぐらいだもんな。」
震災前に比べると署員自体の人数も減っている。事件を未然に防ぐ捜査はまともにはできていない。事件が起きてからの捜査に追われている状況だ。隠れている犯罪は数多くあると見られる。
 書類をチェックしていると西川警部補が入ってきた。
 「昨夜逮捕された3人の取調べの中で、どうやら郊外に売春が行われている所があるらしいんです。震災で休業しているホテルがあり、そこで行われているとの話がありました。やりとりは掲示板にアクセスしてメールで行うそうです。原発関連の作業員がけっこう利用しているとの事です。お2人の探している田口と関係あるかは分かりませんが、怪しい話だと思ったんでご報告までと。」
 「分かりました。ありがとうございます。詳細を教えて下さい。」
 「はい。」
西川はその掲示板のアドレスを若菜に渡し、調べで分かった事を伝えた。


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