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LADY GUN
【推理 推理小説】

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カウントダウン-6

 受付で警察手帳を出す。
 「先程お電話差し上げた中央署の皆川静香と申します。後藤課長様はいらっしゃいますでしょうか?」
 「少々お待ちください。」
内線で確認を取るとすぐに後藤課長が来る。
 「課長の後藤です。こちらへどうぞ。」
後藤に案内され2人は応接室に通される。
 「こちらがご依頼の書類です。」
封筒を受け取る静香。若菜に見られないように素早く確認する。
 「あ…!やられた…!」
思わず口に出してしまった。
 「何がですか??」
書類を覗こうとする若菜に慌てて封筒に戻す。
 「何でもないわ…?ご協力、ありがとうございました。」
静香が席を立つと若菜も遅れて席を立ち後藤に見送られて電話会社を後にする。
 車に乗る2人。
 「何の書類ですか??」
気になって仕方ない。
 「最近イタズラ電話が多いのよ。誰がイタズラ電話をかけてるのか調べて貰ったのよ…。」
 「そー言えば先輩、エロ系の迷惑メールがたくさん来るって言ってましたもんね。やっぱ変なサイト見てるんじゃないんですか〜?」
 「見てないって!若菜じゃないんだから。い〜い、個人的な事を警察の名を借りて調べちゃったんだからみんなには内緒よ?」
 「は〜い!その代わり…今度駅前のフランセールって言うケーキ屋さんのケーキ、奢って下さいね?」
 「脅すつもり!?」
 「ニヤッ♪」
 「わ、分かったわよ…。」
 「やった!あそこのレアチーズ、超ウマなんです。半熟レアチーズがもうトロケル〜ぅ♪」
 「フフフ」
幸せそうな顔をする若菜に思わず笑みをこぼした静香。この事件を解決して若菜と美味しいケーキを食べに行きたい…心からそう思った。
 「先輩とデート♪楽しみ〜♪」
気楽なもんだ。しかし静香にとって心を和ませてくれる若菜はいつしか大切で守ってあげたいと思う存在になっていたのであった。
 署に戻りすぐに射撃場に向かう静香。そんな静香に違和感を感じた。
 「先輩、捜査行かないんですか?」
 「うん。色々ありすぎて頭の中がこんがらがっちゃってるから一回スッキリしようと思ってね。若菜はR4について調べた事をまとめて部長に提出してくれるかな?」
 「はい。分かりました。」
若菜は部署に向かう前に少しだけ静香の射撃を見ていた。
 (先輩がLADY GUNで練習するの珍しいなぁ。)
しかもいつもにも増して真剣だ。そんな静香を見てカッコいいなと思いながら仕事に戻る。
 静香にとってもう捜査は必要ない。今夜、いよいよ犯人である田口徹と会うからだ。探す必要も調べる必要もない。そこで終わらせればいいだけなのだから。
 (私はあなたの望むような刑事にはなれません。許して下さい、上原さん…。)
そう思いながら銃を撃っていた。
 静香は二度目の殺人者になるつもりでいたのであった。


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