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LADY GUN
【推理 推理小説】

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カウントダウン-5

 翌朝、1人で出掛けようとする静香に若菜がごねる。電話会社に行く事は誰にも知られたくはなかったが、変に拒むとかえって怪しまれる恐れがある。静香はやむを得ず若菜を連れて出掛けた。
 「先輩最近前ほど私に構ってくれなくなりましたね〜。」
 「そうでもないよ。」
考える事があり素っ気なく答える。
 「冷たくないですか〜!?」
足をバタバタさせてふてくされる。
 「(メンドクサイわね…)ご、ゴメン、考え事してたのよ。最近いろいろする事あって面倒見切れないだけよ。落ち着いたらまたバシバシしごいてあげるからさ。」
 「バシバシはしごかれたくないなぁ…。」
 「…(コイツは…)」
田口に似た憎らしさを感じる。しかし若菜は憎めない。そこには愛情があるからだ。窓の外を眺める若菜の横顔を見て心が和む。
 「ねぇ若菜?」
 「何ですか??」
不意に話しかけられキョトンとする。
 「刑事、ずっと続けるの?」
 「刑事ですか?はい。辞める気はないです。そりゃあまだまだ何もできない足手まといかもしれないケド、でも少しずつでもいいから前に進みたいんです。先輩みたいになりたいです。」
嬉しそうに話す。
 「私なんかじゃなくもっと上を目指しなさい?」
 「私にとって先輩が最上級ですから。本当はお父さんのようにって言えばいいんでしょうけど、でも私はお父さんが仕事してるとこ見た事ないし…。私が知っている中で一番はやっぱ先輩だから。」
照れ臭くなる静香。自分は正芳を目標にやってきた。だから自分を目指すと言う事は父親を目指す事と変わりがないと思った。
 「前に言ったよね?弱い人を守りたいから警察官になったんだって。」
 「はい。」
 「凄くいいと思う。シンプルだけど凄くいい志だと思うよ?」
 「エヘッ、ありがとうごさいます♪」
得意げに鼻の下を擦る若菜。
 「警察はお金持ちや権力者を守るだけのものではないの。お爺ちゃん、お婆ちゃん、子供…、弱い人間こそちゃんと守ってあげなきゃいけないと思う。若菜ならそれを忘れず立派な刑事になれると思う。」
いつもと違う口調で話す静香に若菜が首を傾げる。
 「先輩、まるで別れの挨拶みたい。どっか行っちゃうんですか…?」
ドキッとする。
 「行かないわよ。まだ事件も解決してないのに。」
 「あ!まさか…角田さんと結婚するんですか!?」
 「!?ち、違うわよ!結婚するにしてもまず俊介を助け出さないとね。どっちにしてもまだまだいっぱいしごいてあげるからね?」
 「う〜ん…。」
どうしてもしごかれるのは嫌みたいだ。そんな会話をしているうちに電話会社、MTTに到着した。車の中に置いてきぼりにされるのをゴネた若菜を連れてビルに入って行く。


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