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The sickness of love
【純愛 恋愛小説】

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The sickness of love-7

『今日は私の買い物に付き合ってもらうわよ。』
朝から春日は張り切っていた。
『澪〜。俺一回着替えに家に帰るから。』
中河原は鞄を片手に帰る準備をする。
『解ったわ。したら着替え終わったら連絡してね。』
春日は笑顔で見送った。
新婚さんみたいと一人で呟きながら。
先ずは掃除に洗濯に食器洗いにトイレ掃除をして、まったりとコーヒーを飲んでいるともうお昼になる。
『澪〜。』
ちょうどいい時間に中河原が来たので、春日は少し化粧を直すと二人で出掛けた。
中河原は相変わらず長めの髪に銀縁メガネ、グレーの瞳にブラウンのジャケットに黒いパンツ。
素で春日は見とれていた。
春日は白いジャケットにピンクのワンピース。
まだ少し肌寒い五月。
中河原は中河原で見とれていた。
お互いに思った事は、きっと同じ年くらいに見えるだろう、顔を見合わせて笑顔になる。
二人は手を繋いで堂々とデートをしていた。
ご飯食べて、本屋に行って、服屋に行って、靴屋に寄って。
春日は中河原をあっちこっちに振り回す。
『澪〜。ちょっとタンマ。』
中河原は両手に荷物をたくさん抱えて春日にギブアップと叫ぶ。
そんな中河原の荷物を半分持ち、家路を目指した。
春日の大嫌いな日がやってきた。
『おはようさん。今日は進路相談だね。春日先生はどうですか?』
朝から教頭が嫌味っぽく話し掛けてきた。
『おはようございます。不安も有りますが、頑張ります。』
『春日先生は元気があってそれはよろしい。保護者からの苦情が来ないようにね。』
教頭はそう言うと去っていった。
ホームルームが終わり、溜め息混じりで職員室に戻り、一限目の準備に取り掛かる。
進路相談は午後から。
進路希望の紙を見つめて、春日は教室に向かう。
廊下で中河原とすれ違う。
だが、目も合わさない、言葉も交さない。
春日は複雑な気持ちになる。
―渉は私が思っているより私を好きではないのでは…―
そんな思いが進路相談の不安と混じりあう。
一限目が終わり、二限目も終わり、あっと言う間に昼休み。
昼休みが終ると、出席番号順に進路相談が始まる。
春日のクラスの問題児は、高石百合江(たかいしゆりえ)、松田七重(まつだななえ)、もちろん中河原渉も入る。
三人を除けば皆進学と成績が伴う生徒だ。
高石は医科大学希望だが、成績が伴わない。
松田は白紙。
中河原も白紙。
この三人は次の日にたっぷり話すことにしてある。
無事問題児以外の生徒の進路相談は終わった。
春日は図書室に行き、カードの整理などを手早く終らせると、中河原が来るのを待った。
二人の場所。
『おまたせ。先生。』
中河原は落ち着いた表情でやってきた。
『中河原君…。これどうゆう事?』
春日は進路希望の紙を中河原に渡した。
『俺さ…。何がしたいか解んない。まだ見付からないんだ。中河原は国立に行けと毎日毎日言うんだけど。いまいちしっくりこない。』
中河原は髪の毛を掻き分けて、眼鏡を外す。
『先生…。俺は金で仕事は選ばない。やりたい事を探す。中河原を説得するしかないな。俺だけで無理なら先生も手伝って。ホントはこんな格好悪い事言いたくないけど。』
『渉は渉よ。中河原の玩具でいる必要は無いわ。』
中河原は春日にキスをした。
禁断の関係―…。
高石の進路相談を始めた。
高石は成績が医科大学の偏差値に追い付かない。
まだ二年では無く、もう二年なのだ。


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