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The sickness of love
【純愛 恋愛小説】

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The sickness of love-1

ここは都会に在る有名な私立高校。
桜の花びらの舞い散る四月。
一人の女教師が恋の病をかかえた。



『初めまして。私はここの高校に赴任した、春日澪(かすがみお)と言います。教科は数学です。』
春日はハリの有る声で生徒に自己紹介をした。
初めての学校に戸惑いながらも春日はもう二十八なので、担任を受け持つ事になった。
校長に言われたクラスは二年五組の理系クラス。
理系クラスは四十人で、その内男子が五人しか居ない珍しいクラス。
『このクラスは男子が少ないんですね…。』
校長は、
『二年生は理系に女の子がたくさん入りましてねぇ。』
春日はふぅんとだけ返すと、教室に着いた。
春日は教室に入るとまずは全体を見回してから、自己紹介をした。
自己紹介をした後に、生徒一人一人に自己紹介をして貰った。
その中の一人。
中河原渉(なかがわらわたる)と恋に落ちるなんてこの時の二人は思いもしなかった。



春日は教師の中で特別目立つ訳でもなく、容姿も普通で、趣味は読書。
地味な女だ。
でも、春日は元気だけは人一倍で生徒も徐々に春日に慣れた頃、中河原と二人きりになった。
春日は図書室管理も任され、放課後一人で本の管理と貸し出しの整理をしていると、図書委員の中河原が話しかけてきた。
『先生はこの学校に来て一年目なのに図書室の管理とは大変ですね。』
春日は中河原と二人きりで話すのは初めてで少し戸惑いを胸に秘めながら、
『大変だけど、読書が趣味だから苦では無いのよ。もう暗くなるから帰りなさいよ。』
と冷たく返した。
中河原は背が春日より頭一つ分位高く、体格はソフトマッチョで、髪の毛を肩まで伸ばして銀縁の眼鏡をかけている。
切長の目はカラーコンタクトのせいかグレーの瞳になっている。
成績はいつも学年トップでなかなかあなどれないのだ。
春日はそれを知ってか中河原とあまり話をしたくなかった。
何故なら思想を見抜かれたくないから。
『先生は俺と話すの嫌いでしょ?』
春日に背を向けて話す。
『そんな事無いわよ。中河原君は優秀だから私と話すとつまらないんじゃないかと…。』
春日は貸し出しカードを整理しながら話す。
『俺は春日先生が図書室管理だから図書委員になったって言ったらどうします?』
中河原は眼鏡をクイクイっと動かしながら切長の目を春日に向ける。
『もう暗いから図書室閉めるわよ。帰りましょう。』
中河原は扉の前に立ち、
『俺先生の事好きなんです。』
と顔を真っ赤にしながら下を向いて話した。
『私は教師だから…。』
と春日は一言言うと中河原を力一杯避けて図書室から逃げた。
『私は教師…。生徒を好きにはならない。』
とブツブツ言いながら職員室に入った。
図書室に残された中河原は、
『俺の運命の人なんだよ…。』
と涙を流した。
次の日、ホームルームで色々話しをしていると中河原と目があった。
だが、お互いに目を反らした。
中河原はいつも一匹狼。
一人で行動する。
だが、話しかけられたら優しい対応だけはする。
ホームルームが終わり廊下を歩いていると、隣のクラスの田中淳(たなかあつし)と言う先生に話しかけられた。
内容は自分のクラスの話。
春日はただ相槌をうつだけ。


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