聖域-1
〜第12話〜
「わかりました。すぐに開けますから・・少しだけ待っていてください」
「わかったよ」
電話を切ると、シャワーで濡れた身体をタオルで拭き、下着は着けずに洋服だけを身に付けた。
玄関に行くといつから立っていたのか、扉の向こうに人影が見えた。
誰かに見られでもしたら後が大変とばかりに慌ててカギを開けた。
カチャッ・・
そこには紺のスーツ姿の斉藤が立っていた。
「よう。この格好じゃ誰かに見られても言いわけができるだろう?
まさか誰も真昼間から男を連れ込むなんて思わねぇだろうよ」
そう言って扉を閉めるなり、いきなり美香に抱きつき唇を重ねた。
不意を突かれた美香は抵抗する間もなく舌を入れられ絡めていく。
この荒々しさが美香の判断を鈍くさせ、逆に身体は敏感に反応し熱くなっていく。
玄関だというのに、濃厚なキスを続け自分の腕を斉藤の首に巻きつけた。
「んんっ・・んっ・・」
美香の熱い歓迎に思わず斉藤の方から唇を離した。
「おいおい・・随分激しいじゃないか。中には入れてくれないのか?
俺はここでしてもいいが、声が外に漏れるぜ・・」
斉藤の言葉に我に返った美香は恥ずかしそうに俯き、リビングへと歩いていった。
「邪魔するぜ」
靴を脱ぎ後を追っていく。
「なかなかいい家じゃないか。まぁ、俺には到底買えねぇ家だな」
歩きながらジロジロとまわりを物色するように見ていた。
美香は浩二の知らない男を家に入れたのは当然初めてだった。
浩二の知り合いでもこうやって二人きりになるなんてことはまずなかった。
以前の美香ならたとえここに斉藤が来たとしても強い口調で追いやっていただろう。
ところが再会してからの斉藤の責めによって気持ちを大きく変えられてしまった。
今でも、浩二に対する罪悪感や後ろめたさは十分にある。しかしそれよりも斉藤から得られる快感の方が遥に勝っていた。
リビングに到着しても斉藤は物珍しそうにまわりをキョロキョロとしていた。
「へぇ・・ここで食事をしたりテレビを見たりくつろいだりしてるんだな・・」
勝手に座り心地のよさそうなソファーに座り、タバコに火を付けた。
「ちょ・・ちょっと・・タバコなんかやめてよ・・」
臭いで誰かが来た事が浩二にバレてしまう。
慌てて制止したが間に合わず天井に向かって煙が上っていた。
「んっ?悪い・・悪い・・ついいつもの癖で・・」
悪びれる風もなく、仕方なく来客用の灰皿をテーブルに置いた。
「ところで・・旦那にはいつ抱かれたんだ・・?」
いつもの口調で斉藤が質問をしてくる。
「土曜日・・です・・」
「で・・気持ちよかったのか・・?あれだけ敏感な身体なんだ。さすがにイッたんだろ?」
知っていてわざと聞いてくる。
もし浩二で満足できたんなら、斉藤を家になんか入れたりしない。
「いえ・・また・・いつものように先に・・」
美香も真面目に質問に答え、斉藤を喜ばせる。
「それで?旦那のいない時間に男を連れ込んで気持よくなりたいんだな?」
そっちが勝手に来たくせに。と、言いたいところだが、美香の身体はどんどん熱くなり、
特に下半身の中心。秘部からは新たな愛液が内ももにまで垂れ始めていた。
「は・・はい・・」
斉藤のペースに飲み込まれた美香は完全に言いなりだった。
「ほら、そんなとこで突っ立ってないで、こっちに来て見せてみろよ・・」
我がもの顔でソファーに座っている斉藤の目の前に立ち、ゆっくりスカートを捲った。
足を肩幅に開き捲りあげられていく。
徐々に露になっていくと、そこにはあるはずのものがなかった。
下着もなく、さらに秘部を覆っていた恥毛すらもキレイになくなっていた。
「ほぅ・・いつ、剃ったんだ?俺は邪魔だなって言っただけだぜ?」
興奮と羞恥で顔を真っ赤にしながら、「あの・・さっき・・です・・」
「丸見えだな・・俺に見られて・・嬉しい・・か?」
斉藤は思わず指を伸ばし割れ目に触れると、既に温かく湿り気を帯びていた。
「はぁんっ・・う、嬉しい・・です・・」
「こんなに濡らして・・ほらっ・・ほぅらっ・・」
何の抵抗もなく秘部が指を受け入れる。
クチュッ・・クチュッ・・
「アンッ・・アンッ・・」
「昨日はどうしたんだ?旦那に抱かれなかったのか・・?」
立ったままの美香の秘部に指を2本入れながらさらに質問を続ける。
「はい・・っ昨日は・・っしてません・・」
「それで飢えた身体はこんなに濡れてるんだな・・?」
クチュクチュクチュクチュ・・
浩二と同じようにただ指を入れてかき回しているだけのはずなのに、斉藤の指は的確にツボを刺激し愛液は止めどなく溢れ、絶頂が近づいてくる。
「アンッ・・アンッ・・アンッ・・雅彦さま・・もう・・」
キュッ・・と斉藤は指を締め付けてくる感触を逃さなかった。
「なんだ・・?もう我慢できないのか?ほら・・ほらっ・・」
「ダメッ・・もう我慢できませんっ・・イカせて・・下さい・・っ」
斉藤は珍しく指の動きを止めずに美香を絶頂へと追いやろうとしていた。
「アンッ・・いいっ・・はぁはぁっ・・はぁはぁっ・・もうダメッ・・」
足首にまで垂れた愛液が快感の度合いを物語っていた。
「いいぜ・・ここでイケよ」
「イクッ・・イクッ・・ゥゥ・・イッちゃうっ・・はぁぁぁんっ・・」
さらに激しくなる指の動きにとうとう美香は自宅のリビングで絶頂を迎えてしまった。
激しい絶頂の余韻に浸るように斉藤にもたれかかってしまった。