神とモンスター-2
「ただ、そのお金をどうしたのかは分かってないの。銀行に預けたのか、使ったのか、それとも隠しているか…。」
「働かなくても一生遊べますね。」
「だから当時の警察も銀行に色んな問合わせて多額の入金をした人物はいないか調べたんだけど不透明な人はいなかった。急に生活が派手になった人はいないか聞き込みをしたけど見つけられなかった。まぁ知能犯であろう犯人が調べられたらすぐ分かりそうな痕跡残す訳がないもんね。」
静香はたまたまモニターに映った高田道彦であろう覆面男を見た。
「あくまで予想なんだけど、神は大金を高田道彦に譲ったんじゃないかって思うの。」
「何でですか?」
「神の最後のレイプは音声から言って目的達成のレイプだと思うの。神の最終目的はあの女性をレイプする事にあったんじゃないかって。だったなら神にとってお金なんてどうでもいいはず。もしかしたら神に黙って高田道彦が口座からお金をおろしていたのかも。いえ、かなりの知能犯である神がそんな事に気付かない訳がない。お金は高田に任せたんでしょうね。神にお金に執着する様子は全然ないからね。後に会社を立ち上げた高田道彦こそそのお金があったから会社を立ち上げられたんじゃないかな?お父さんからの資金援助は一切なかったと言ってたからね。」
「そっか!先輩凄ぉい!名探偵みたい!」
「探偵…」
恥ずかしい褒め方に頭を掻いた。
「ただ映像を見ていると高田道彦はあくまで覆面男達の中の1人って感じよね。神に仕える側近らしき男はこの覆面男みたいだからね。」
矢沢を指差した。
「となると神の意志を継ぐのは高田道彦ではないという事になる…。ただ神の消えた後の残党の主犯格は高田道彦がまとめていたR4と呼ばれたレイプ集団。連中のレイプ事件はR4が指揮していた事も分かってる。でも神がいるときに高田」それほど目立つ存在ではなかった。何故高田が言わば二代目神的存在になれたのかが分からない。側近でも何でもない高田が、ね。」
「ですね〜。」
「神と高田道彦の強い繋がりを証明できなければ神ー高田ー今回の犯人のラインが成り立たないのよね。でも全国規模で広まっていた覆面男レイプ集団が高田道彦をリーダーとして認めたんだから、きっと理由がある。絶対神が高田道彦を次期リーダーに指名したはずなの。何故神は高田道彦をリーダーに指名したのかを解明しないと今回の犯人には辿り着かない気がする…。」
「ですね。」
そうは答えた若菜だが、話の内容はイマイチ理解出来ていなかったりした。