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LADY GUN
【推理 推理小説】

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愛とレイプ-2

 静香はその日1日署に残り泰明から譲り受けた高田道彦の所持していた動画の解析を行っていた。美山静香という婦警のレイプ動画を見ただけで胸が苦しくなり、他の動画を見る気持ちにはならなかった。しかし捜査の為、苦しみを抑えて動画を見た。ずっと涙が止まらなかった。
 静香と若菜への警護にぬかりはなかった。2人とも美形である。狙われないのが不思議なくらいだ。家までの送迎は毎日行われている。特に静香は夜遅くまで署に残っている為、静香が住むアパートまでしっかりと警護されていた。
 「皆川、そろそろ今日は終わりにしろ。送って行くよ。」
 「あ、はい…。」
俊介の先輩、石山和樹が静香をアパートまで送って行く。中央署で一番のガテン系だ。たいてい石山が警護を努めてくれる。石田の車に乗り帰宅する。車の中で、ずっと見ていたレイプ動画が頭に浮かび離れずに苦しくなってきた。
 「石山さん…?」
 「ん?」
 「どうして男の人はレイプするんですか…?」
 「えっ…?」
突然の難問に答えに困る。
 「石山さんはした事ありますか?」
 「あ、ある訳ないだろ!?」
 「あ…、で、ですよね…。すみません…」
なんて事を聞いてしまったんだと反省した。
 「無理矢理するのが好きな男もいるって事だよ。セックスを恋愛の一部と考える人間と、性欲を満たす手段としか考えない人間の違いだな。」
 「私はお互い気持ち良くなれるのがセックスだと思ってます。私は俊介の気持ち良さそうな顔を見ているだけで幸せ…。俊介も私が気持ちよがってると嬉しそうですもん…。」
 「ンッンン!」
咳払いをする石山。静香はハッとした。
 「や、やだ…私何を言ってるのかしら…」
思わず恥ずかしくなる。
 「でもまぁそれが普通だよ。レイプは犯罪だ。許されない行為だ。卑怯な奴らがする事だよ。絶対許す訳にはいかない。」
 「はい…。」
常識人と接しようやく心が和んだ。
 「じゃゆっくり休めよ?」
アパートに着いた。
 「はい、いつもありがとうございます。」
頭を下げる静香。石山は部屋に入るまで静香を見届けてから車を走らせた。
 「あんな若い子がレイプに悩まなきゃいけないなんて可哀想に…。」
仕事とは言え女として辛すぎるレイプに関わらなければならない静香を不憫に思った石山だった。


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