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LADY GUN
【推理 推理小説】

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知能犯-7

 静香の運転する車に乗る若菜。静香の顔をチラチラ見ていた。何か言いたそうな顔をしている事に気付いた。
 「なぁに??」
静香の方から話し掛けてくれるのを待っていたようだ。
 「私、やっぱ足手まといですか…?」
悲しそうな顔をしていた。
 「何で?」
 「だって置いてきぼりされたから…。犯人の居場所かもしれない重要な捜査に…」
置いてきぼりを食らったのが相当ショックだったようだ。
 「あの場所じゃなきゃ連れて行ったわよ。」
 「あの場所…?」
 「ええ。」
本当の事を言おうかどうか迷った。しかし下手に嘘をつくと返って傷つける事になる。静香は本当の事を言った。
 「あの場所は若菜のお父さんが命を落とした場所だから…。」
 「えっ…?」
驚く若菜。誰も教えてくれなかったし、気にはなっていたが敢えて行こうとは思わなかった。行くと母が心配するだろうから。
 「あの場所にあなたを連れて行くのが怖いのよ。犯人の罠かもしれなかった場所。あの場所で若菜にもしもの事があったら上原さんに顔向けできないからね。それ以外の場所なら地獄にだって連れてってあげるわ?」
 「良かったぁ…。私、先輩に邪魔に思われてるのかと思いました。」
 「ま、確かに邪魔だけどね!」
笑う静香。
 「ちょっと酷くないですか〜!?」
 「ウソウソ♪見捨てたりしないから安心してよ。」
 「はーい。」
からかわれて若干ご機嫌斜めの様子だ。そんな若菜に笑みをこぼしながら車は高田不動産についた。高田不動産…、本当は来たくなかった場所だ。自らが殺害した高田道彦の父、泰明が経営する会社だ。あの事件後、一度も来た事はなかった。恨まれているかもしれない…。正直足が重かった。
 実の息子が違法薬物を売買していた事が明るみに出たにも関わらず、その道彦が死亡してから業績を上げているのも不審な点ではあり一応捜査はしてきたものの特に黒い噂や事実は出てこなかった。道彦の事件も今では過去の話になりつつある。ますます地元に根付いた企業へと成長していた。
 静香達が受付に向かうと平井絵里という愛想の良い女子社員が応対し社長に内線をかけた。
 「では社長室までご案内致します。」
断られるかと思ったがすんなり通された事に胸を撫で下ろす静香。緊張しつつも平静を保ちエレベーターで8階にある社長室へと向かった。


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