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貴方を、護りたい・・
【純愛 恋愛小説】

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私のしてる事って-5

今の樹里奈にとっては近くで眠るその人は、誰にでも優しく前向きで爽やかなそんな彼を
無慈悲に苦しめる最低女にしか見えず・・
ダガそんな母を見つめる彼の瞳に嘘偽りは一斉感じず

「泣いてもいいよ・・」
心の中で呟く樹里奈、再び自身の胸を抓られるような苦しみを抱き

「さてっ・・と」
気持ちを切り替え腰を一気に挙げ扉の方へと歩みよる
「入院費・・結構高いな、夕飯はもっと量を減らすか・・それか出勤時間をもっと早めて
でもそれじゃ部活が彼らが・・」
先ほど医師から受け取った診断書を見つめボソボソと口を動かし扉を開け、彼女も何を言うも無く彼について行き、眠る響子を残し、病室を後にする
ピッ・・ピッ・・、一寸の狂い無く鳴り続ける心肺機・・

「それじゃー、保険書忘れずにお願いしますね、後印鑑も」
看護士カラ母の入院手続きの説明を受け、それを終え病院を後にする

「はぁーあ、長かったなぁ看護士さんの説明」
肩に手を付け首を左右に傾げ体を解す
「・・お疲れさん、ねぇこの後アイス食べに行かない?春華と何時も行ってる美味しい
アイスクリーム屋サンがあるのっ!」
元気な声を挙げ彼の心労を取り除こうと勧めると
「ゴメン、それはちょっと無理だわ、この後事故の手続きだとかで診断書を持って
警察署に寄らないと行けないし・・」
「・・あぁそうー」
一気に期待の力が抜ける樹里奈

「おっ、もうこんな時間だ急がないと市役所締まっちゃうっ!それじゃーまた」
腕を上げ駆け足で彼女の元を去り、その後その後ろ姿をジッと見つめる彼女
「・・神様、どうか」
胸を軽く掴み視線を地面に向ける


「へぇー、そんな事がねぇー」
しゅうと行く筈だったアイス店で春華と二人でミルクティーを口にし
「やっぱり、見てらんないよ・・あんな彼」
「・・樹里奈」
軽い溜息を付き自分の濁った顔の映ったミルクティーに目を置く
「それにしても何で何だろ?」
「へっ?何が・・」
「昨日の事よっ!なんでまた彼は私を病院に連れて行って自分の母親を見せてきたのかしら?・・」
頬を手に当て、首を傾げ

そんな友の問いに耳を傾けつつ、瞳を閉じゆっくりミルクティーを喉に流し
そしてカップをゆっくりテーブルに置きハッキリとした口調でこう言う

「それは貴方に助けを求めているからよっ!」
「えっ?」

突然の春華の意外な返答に口を開け
「だって可笑しいじゃない?普段人に心配掛けない彼がそんなあから様に不安を煽るような事実を教える何て・・私なんて小学校の頃から彼を知っているけど、そんな事してもらった事何か無かったよ?今の今まで」
「「俺は苦しんでる、俺はこんな状況に侵されて居るんだっ!」て事を伝えたかったんだよ、アイツは・・きっと」
「・・そんな、でも彼はっ!」
「それは躊躇いがあったからよ、アンタに心配掛けるべきではない・・かと思って」
「・・それでも私に相談を持ちかけたのって・・」
「私達が思ってる以上に苦しくて限界に来てたか、若しくはアンタの事を信じ・・
アンタを頼ってるか・・」

「しゅう・・」
彼女の頭の中で色々な事がぐるぐると回転していき

それから樹里奈は春華と別れふと人気の無い公園へ足を運ばせブランコに腰を降ろす
「きゃはははぁ、待ってってばぁー」
無邪気にはしゃぐ子供達を何気無く目で追い

「大丈夫だって、俺暑がりだからさ・・」
「俺の事はもう構わないでくれ!」
「母さんは素晴らしい人間なんだ・・」

「うっうっ、母さんどうして?どうしてなんだよ・・」
「・・苦しいキツイ・・もう嫌だ何時まで続くんだ?こんな事」

       「俺を助けてくれっ!!樹里奈っ!!」

「!!」

彼との思い出が次々と脳裏に過りそしてブランコから勢いよく降り

助けなきゃっ!彼は私に助けを求めてるんだからっ!彼を救えるのは私しか居ない
・・だから・・だから・・私は・・私はっ!


           彼は私が必ず救う、必ずっ!!

改めて決意を固める少女を見下ろす茜色の空はこの日も変わらず天空の空を泳いでいる


第二章「私のしてる事って」 終

 次章 第三章 「彼の笑顔」 作成予定


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