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貴方を、護りたい・・
【純愛 恋愛小説】

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幸福-12

俺は走った

地面を思い切り蹴飛ばし、ある人の待っている場所へ

俺がこうして家族の絆を取り戻し、掛け替えの無い幸福を取り戻した・・その裏で

彼女が・・樹里奈が・・何時如何なる時でも俺を支え、応援してくれたから


俺の脳裏から彼女の天使の様な俺を思う笑顔が浮かび

俺は・・今・・彼女に会いたい!会って想い一杯の感謝の言葉を!
そして・・俺の想いを彼女に伝えたい!


俺は君の事が・・・・大好きだっ!!


息を切らし、人気の無い公園へ辿り着き辺りを見渡す・・するとソコに見覚えのある
茶髪の少女が俺に、背を向け待っていた

「・・樹里奈!」

俺は荒げた声で彼女を呼ぶと、彼女もゆっくりと振り向き、そして俺の良く知る俺の大好きな笑顔が、ソコにあり

「しゅう・・」
「樹里奈!」

お互いを見つめ会い、俺は自分の想いを彼女に告げる・・

「樹里奈!俺今とっても幸せだよ!・・君のお陰で・・」
「・・・・」

黙って口出しせず俺の言葉に耳を傾けてくれて
「・・君が居たから・・君が支えてくれたから!だからぁ!今の俺がいる」
「・・・・」

「君が居なかったら今の俺は居ない!・・だから・・だからぁっ!」

「本当に・・本当に・・」
ようやく口を開ける彼女、その目は慈愛に満ち溢れ目を細め俺に抱きつこうとするのに
対し俺も同じ事をして

「・・樹里奈ぁっ!!」

俺も彼女を抱き、そのまま放さない!必ず!・・
これからは俺が彼女を幸せにしてあげよう・・そう誓った・・ダガ

そんな時だと言うのに、腹から妙に熱い感覚がし、何かがボロボロと垂れ・・

「・・樹里奈?・・・・」
放れて、ふと視線を自分の腹に向けるとソコに・・

「あれ?・・何だろ?・・これ」
視線の先にダラダラと流れる赤い液体、鼻から鉄の匂いがし

「樹里・・奈っ?」

俺はそのまま地面に倒れ


・・しゅうが・・幸せに・・なる?

彼が・・何も問題無く・・他の子と、何一つ代わり無く生きてる?

地面に延々と流れる血

それじゃー私は・・一体?

許さない・・彼が幸せ何て、苦しんで無いなんて・・そんな事・・絶対にっ!

「・・う・・ぁ・・な」
虫の息ながら俺は彼女に視線を向け、手を差し伸べるも、その手を掴む様子は一切無く


「ハァア・・アハ、アハハハハハハハハハハハハハハハァッ!シュウガ!私ノ大好キナ
シュウガ苦シンデル!痛イデショ?苦シイデショ?」

「良イワ!助ケテアゲル!・・私ガ!コノ私ガ!必ズ・・救ウ・・・カラァっ!」

夕闇がゆっくりと浮かぶ大空の下で狂気の如く笑う少女と血まみれで倒れる少年

その異様な光景を真実をする夕闇は何をするでも無くぷかぷかと浮いていた

・・樹里奈、どうしてだ?

君は、俺の・・幸せを・・願って・・居たんじゃ?・・・・


最終章 「幸福」 終


新連載 「君を救いたい」 へ続く




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