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貴方を、護りたい・・
【純愛 恋愛小説】

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彼の名はしゅう・・-1

私はその日、胸を鷲掴みにされたような衝動にかかれた・・
 
 「やめろっ!彼らは悪くない!悪いのは全部オレだっ!」

河川敷で泥まみれのユニフォームに身を包みサッカーの試合に0−5でボロ負けする  その少年のチーム・・

「あーあ、強いチームって聞いたからどんな強豪揃いかと思えば、サッカーのさ文字も
知らない弱小クズチームだったな・・、こんなクズ共だって分かってりゃーこんなタイムロスしないで済んだのに、俺たちの貴重な時間を返せ!・・後、お前らクリーニング代を
払えよ?お前らのその薄汚いサッカーボールで俺たちボールを蹴っちまったんだから、お前らの出来損ないが移ったらどうしてくれるんだ?ん?」

「クズ?弱小?」
「もういっぺん言ってみろ!」

怒りと悔しさをあらわとし、中には殴り掛かろうとする物もいたが・・

 「よせっ!!」

キャプテンバンドをはめたその腕に、殴り掛かろうとするその腕を制止し
「しゅう!」
「・・よすんだ」

「俺たちの負けだ、俺たちはまだまだ弱く、君たちの足元にも及ばないだろう」
「しゅう・・」
「ダガッ!これだけは言わせてくれっ!今回負けたのは彼らが弱いからじゃない!
俺が・・キャプテンである俺の指導不足、試合でちゃんと指示を出せなかったからだ」
「そんな、しゅうはちゃんと指示出してたじゃん」
「そぅだよ、日頃の練習だって、厳しくとも俺たちの事一人一人ちゃんと見ててくれて」

「いや、悪いのは全部俺のせいだ・・だから!責めるなら俺だけにしてくれ!彼らは
何にも悪くない!彼らは勝利の為に全力を尽くしてくれたんだ!」
彼の、その部員を想う真っ直ぐな瞳に、部員達は返す言葉も無く・・
「はははは、そうかもなぁ!責任とっていっそキャプテンおりたら?」
「そぅそぅ、それともサッカーそのものをやめたらどうだ?」
罵るだけ罵しり彼らは罪の意識も無く楽しそうにしゅう達に背を向け河川敷を後にする

そんな彼が強い握り拳をしていたその姿を、その光景を少女は見落とさなかった・・


主婦や家族連れで賑わうスーパー
ソコでは普段と変わりなく主婦が良い野菜を見分けたり、子供がお菓子を欲しがりだだを
こね、それを迷惑そうに却下する母親など・・
そんなスーパーの有り触れた光景の中に少々見慣れぬ光景があった

「おっ、卵ついに値下げしたか・・、いっけねぇ小麦粉と醤油もぅ切らせてたんだっけ」
「上手く出来るかな、今晩のはるさめ」
夕飯の支度をする彼を家族連れがすれ違う・・


「ただいま」
いつものように暗い部屋を明るく照らし、夕飯の準備に取り掛かる
「あら、おかえりなさい今日は遅かったのね・・」
「うん、試合が長引いちゃってさぁー」
「ふーん、ねぇねぇ今日のご飯はなーに?」
「今夜ははるさめダヨ、だからもう少し待っててね母さん」

溜まりに溜まった汚れた食器を洗っていると

「ねぇねぇ、これ見てー」
「なっ、なんだよ母さん・・北猟会?」
「うん、なんかとっても楽しそうなのー毎日色んな事やさせてくれてさぁー」
「それ・・なんかの怪しい仏教かなんかだろ・・やめろよ」
「うーうー、怪しくなんかないもーん、しゅうのバカーーーー」
子供のようにふてくされ部屋に篭り出すも
「・・はるさめ・・案外難しいなぁー、友達に教わったのと違うぞ」

 料理に精を出す彼・・
 その眼には一粒の涙が・・
「うっうっ、・・・母さん」



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