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栗花晩景
【その他 官能小説】

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秋霖-9

 浴槽に浸かり、由美子の体を後ろから抱きくるんだ。
「ああ……どうしよう……」
耳たぶが赤くなっている。小さな耳である。
 恥ずかしいと拒むのをやや強引に衣服を脱がせて抱きあげたまま連れてきたのである。

 髪を上げたうなじに胡麻のようなホクロが二つある。そこに唇をつける。
「ああ……」
ペニスが由美子の腰に触れながら漲った。手を導いて握らせようとするとわずかな抵抗を示しただけで幹を掴んだ。
「ああ……あたしたち……」
言葉が途切れ、握った手に力がこもった。脈動が応じる。由美子の呼吸が乱れていく。

 耳を唇で挟み、息を吹きかける。彼女の背筋が強張った。
「耳……感じちゃう……」
「敏感なんだ」
「知らなかった……この間、初めてわかった……」
体を預けるようにしながらもしっかり握っている。
「あたし、触ったの初めて……」
「初めてって?」
由美子は返事の代わりに軽く扱いた。
「本当?」
 結婚して何年になるのだろう。信じられないことだが、そういう夫婦もいるということだ。
 由美子は私の愛撫を受けながら、ぽつぽつと語った。

 次兄が初めての男性だったこと、結婚当初から営みは月に二度ほど、いまは一度あるかないか。
「仕事以外は釣りのことばっかり……」
 知識として持ってはいたが、いままで性器に口をつけられたことはなかったという。夫も望んだことはなかったので、それは倒錯した行為なのだと思っていた。
「この間、びっくりした……」
秘部に触れた時のことである。
「どうだった?」
「……体中が痺れて、どうなったのかわからなかった……」
「今日もしてあげる」
「いや……」
 だから自分でも『男』を口にしたことはない。
 夫婦の営みをあからさまに語る由美子はもはや正常な精神状態とはいえない。すでに陶酔の境地に入り込んでいたようだ。

 熱い体はどこかが絶え間なく動いている。
ベッドでしばし寄り添ったあと、先に行動を起こしたのは由美子であった。私の下腹に手が置かれ、そのままゆっくりと根元までたどりつき、巻きつくように握った。私は心持ち体を上に摺り上げた。促したのである。
「義姉さん……して……」

 唇が先端に触れ、わずかに口が開いた、と同時に吸い込まれた。
(うーむ……)
 そのまま動かない。鼻息が荒くなっている。どうしたらいいのかわからないのだ。
「義姉さん、すごくいい」
たぶん由美子は、わからない、と言ったつもりで顔を左右に振ったようだが、それが刺激を生んだ。
「うう、感じる……」
その反応を感じたのか、小刻みに顔を動かし始めた。
「義姉さんいいよ。上下に動いて」
由美子は言われた通りポンプになって動いた。

 稚拙だから却って感じることもある。きつく口を締めたままなのでその摩擦は痺れるようで、ときおり吸引も伴う。歯がかすめるのも快感だ。
 由美子の顔はあどけなくも妖しい。

 私は少しずつ体を下にずらしていった。由美子も咥えたまま合わせて下に下がっていく。上にスペースができたところで彼女の腰を呼び込む。
「一緒に、しよう」
私の意図がわかったようで、尻を捩ったが、拒むほどではない。クンニの快楽は十分承知なのだ。
 私の顔を跨ぐ時の恥じらいの断片は出来る限り股を狭めた格好にあらわれている。

(これは!)
内股にまで流れ出した夥しい妖液。むろん恥毛もべっとり濡れている。陰核はぎんなんほどにも膨らんで淫らな光沢を放っていた。
「きれいだ……」
息を吹きかける。
「うう……」
尻が締まり、収縮した秘裂から気泡を含んだ愛液が溢れてきた。

 シャワーで洗浄したばかりだが陰部特有のにおいがかすかに漂う。溝を舌でなぞる。
「うっ……」
逃げようとするのを太ももをかかえ、口先を埋め込む。
「ぐうう!」
強烈な刺激を受けたようで、たまらず背を反らせて幹が口から抜けた。
「だめだめ!それだめえ!」
狂乱状態になった。咥えることは無理だと判断して体を入れ替え、脚を開かせ、赤く充血した突起に吸いついた。
「感じる!感じる!変になる!」
絶叫といっていい。
 突起を舌で転がし、弾く。
「きい!きい!」
人の声とは思えない。股間を跳ね上げ、ぶつけてくる。そして間もなく吼えた。
「落ちるゥ!」
踏ん張った硬直の凄まじさに跳ね返される勢いであった。



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