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性愛交差点
【その他 官能小説】

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性愛交差点-3

 相田美希と二人で会うようになったのはそんな不満が溜まっていたからである。
彼女を事務室で見かけるようになってから一年近くになろうか。職員だと知ったのはだいぶ経ってからだ。それほど関心がなかったということになる。
 小柄で小太り、少し厚めの唇は、それが癖なのかいつも拗ねたように尖らせていた。だから印象はあまりいいものではなかった。
 二十三歳だという若さも地味な服装に隠されていて、信彦は美希を女として見つめたことはなかった。ただ、肌の白さだけは際立っていた。色白といっても様々な色具合がある。うっすらと紅をさしたような白もあれば黄色みを帯びた色白もある。
 美希の肌は比喩を超えた透けるような色である。
(もったいない……)
相応の容姿が伴っていれば。……美希を見かける度に信彦は思ったものだ。

 その美希に、というより、肌の美しさに劣情が湧いた。
(アソコはどんな色なんだろう……)
陰毛とのコントラストを想像すると股間が疼くようになった。そしてさらに、無垢への願望が忽然と頭をもたげてきたのである。直感的に彼女が男を知っているとは思えなかった。
(処女だ……)
抑制された夫婦生活が美希の肉体を輝かせた。

 初体験の時、いったいどんな反応を見せるのだろう。妄想は膨らみ、気がつくと彼女に張り付くような視線を送っていた。


 職員有志の懇親会の後、一人で店を出た美希に追いついて声をかけた。
「あら、先生」
美希はにっこり笑って丁寧に会釈をした。話してみると意外に明るい性格のようだ。
「二次会行かないんだ」
「はい……」
宴会は苦手だと言った。
「お酒は嫌いじゃないんですけど」
大騒ぎには入っていけなくて、と謝るように目を伏せた。
「先生は、行かないんですか?」
「僕も騒がしいのはちょっと」
歩きながら話しているうちにカラオケなら好きだというので誘うと、すんなり付いてきた。

 好きだというだけあって美希は歌が上手かった。レパートリーも幅広く、流行の歌から信彦の世代の曲までよく知っていた。
 ビールを飲みながら二人は盛り上がった。酔いと歌の相乗効果といおうか、互いに褒め合って手を握り、デュエットで肩を抱くと美希は彼にもたれかかって歌った。
 曲が終わって騒々しいBGMが流れる中、美希は彼の胸を離れない。
「先生、上手いですね。正統派の歌」
「君の方が断然上手いよ」
信彦はむっちりした肉感を心地よく受け止めていた。
(太った感触もいいののだな……)
餅肌というのか、たまらない柔らかさである。酔っているだけなのか、無頓着なのか、いずれにしても若い肉体を胸に抱えて欲情しないわけがない。

 意識して少し力をこめて抱き寄せた。美希の笑顔がふっと消えて彼を見上げた。その瞳が可愛い。
(ここまで抵抗がないのだから……)
そっとキスをした。美希はみじろぎもしない。舌を差し入れると堅く歯が閉じられている。ビールのにおいとともに唾液に甘味があるように感じた。信彦は勝手に、これが若さの味なのだと思って感激した。

 美希の鼻息が苦しそうになって、口を離すと大きく息をついて火照った顔を伏せた。彼女の手は信彦の腕を掴んでいる。
(いける……)
確信した。
 思い切って胸に手を当てた。初めて声を洩らした。
「ああ、先生……」
その言葉で一抹の躊躇が生まれた。自分の立場が過ったのである。
(教師……不倫……家族……)
信彦の手が止まった時、美希が掠れた声で言った。
「ここじゃ、いや……」
この一言で気持ちは動いた。身を任せるという意味だ。
彼は美希の腰に手を回して立ち上がった。


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