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『清子と、赤い糸』
【幼馴染 官能小説】

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『清子と、赤い糸』-26


 飾り気のない、とても岡崎らしい部屋にそのまま運ばれて、清子は、清潔感漂うベッドの上に、その身を優しく横たえさせられた。
(あ、でも、まーちゃんの匂いがする……)
 キスのときに感じる、暖かい感触が、ベッドの上からも感じられた。
「あ、ウチ、エプロン着たまんまや……」
「いいさ……」
「あ……ん……んん……」
 岡崎の身体がそのまま覆いかぶさってきて、唇が塞がれた。
(うわ、うわ……まーちゃんの、唇、ものすご熱い……)
 昨日、一昨日と、夕飯時間が終わり、岡崎に家まで送ってもらってから、サヨナラする時に軽く触れ合ったキスとは全く違う、とても濃い味のする口付けだった。
(あ、あかん、あたま、蕩けてまいそうや……)
 深く唇を吸われ、何度も甘く噛まれて、その濃厚な柔らかさに、清子は頭の中が真っ白になっていた。
「ん……ふ、はぁ……」
 ようやく離れた唇は、しかし、粘りつく銀の糸でしっかりと結ばれていた。
「まーちゃん、めっちゃ、やらしいキスしよるな……」
「清子の唇、気持ちいいんだ」
「うは……キザやなぁ……ん、んん……」
 言葉を奪うように、再び唇が重なっていた。
「!」
 そして今度は、口の中に何か質量のあるものが入り込んできた。
(べ、べろや、まーちゃん、“べろちゅー”してきた……!)
 ぬるぬる、と、口の中を蹂躙する岡崎の舌が、清子の舌先にも誘いをかけてくる。どうしたらいいのかわからず、しかし、どうしようもなくなって、清子は舌の先をおずおずと、口の中で暴れまわる岡崎の舌に向けて差し出した。
「!!」
 待っていたように、岡崎の舌が絡んでくる。
「ん、んぬっ、んんむっ、んんんっ……!」
 ぬるぬる、ぬるぬる、と、まるで軟体動物のように、舌と舌が淫靡に絡み合って、清子の身体に熱いものを運んできた。
(あぅ、あ、あかん……頭ン中、もう、どろどろやぁ……)
 呼吸をも奪われているようで、清子の酩酊が激しくなる。
「ぷ、はぁ……はぁ、はぁっ……!」
 息継ぎをするためか、岡崎の唇が名残惜しげに遠ざかった隙を突き、清子もまた、大きな呼吸を繰り返した。
「ま、まーちゃぁん……」
 身体が熱くて仕方がない。この熱気は、いったいどうしたら、収まってくれるのだろうか。
「ウチ、熱い……身体、熱くて、たまらんわ……」
「そうか」
 岡崎の手が、まずはエプロンの肩紐にかかったのは、言うまでもないことだった。


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