果肉甘いか酸っぱいか（２）-2
俺が服を脱ぎ始めると、優花もむっくり起き上がって黙ってシャツをたくし上げた。まるですべてを心得た女の動きである。ただ、仕草はやはりぎこちなく、加えて幼さの残る面立ちが、男の面前で衣服を脱ぐという違和感と相俟って逆に性欲をそそる結果になって俺は一段といきり立った。
（これが薬の効力なんだな…）
複雑な思いが過った。
脱がせる手間がなくなった。俺の視線を平然と受けながら優花はあっさりと全裸になった。
（これは…）
外見から想像はついたが、ブラジャーを外してあらわれた胸はあまりにもささやかで痛々しいほどである。とても揉みあげる膨らみではない。ブラジャーで覆う意味もないと思われるが、思春期の乙女のマナーなのか。無論、胸の大きさは個人差があってそれだけで体の成長は計れない。が、それにしても小さい。それでも桜色の乳首と乳輪は女としての突起を見せている。デルタの秘毛もうっすらと黒みがかってはいるものの、産毛のように細く柔らかな様相である。
（大丈夫か？）
結合の不安すら過る。
優花は畏まったようにベッドに座った。一見、事の進展を待つような大人びた落ち着きに見えたが、俺が屹立したペニスを掲げて仁王立ちになると彼女の視線はたちまち乱れをみせた。目の動きはめまぐるしい。飛んでいる視線は、それでも確実に俺の股間を捉えている。衝き動かされていながらどうしていいかわからないでいる。経験もなく知識も限られているだろう。沙織より無知なはずだ。従って想像力も貧困で偏ったものになる。そこに強力な媚薬が入ってきて脳神経を麻痺させる。
（そこで混乱が起きている…）
嗜虐的な興味がふつふつと湧いてきた。
（どうする、どうする…）
近づけていく。ペニスが迫ると明らかな戸惑いをみせて優花は顔を伏せた。
「優花ちゃん、よく見て」
おそるおそる目を上げる優花。そして目を見張り、眼前の一物に息を呑んだ様子である。
「見るの初めて？」
「うん…」
「どうしてこうなったか、わかるよね？」
優花はペニスを見つめたまま顎を引くと、もう目を逸らせることはなかった。
「優花ちゃんが可愛いからこうなったんだ」
小鼻が膨らみ、開き加減の口の端から一筋涎が垂れた。淫気が張り詰めてきたようだった。
「ペニス…」
魅入られながらぽつんと言った。
「そうだよ。ペニス。おちんちんだよ」
「おちんちん、おちんちん」
うわ言のように口走りながら優花の手が伸びてくるのを俺は感動的な思いで見守った。
（優花が俺のペニスを握る…）
白い小さなひな人形のような手が幹を掴み、二度、三度と確かめるように力が加わった。
「どう？」
「硬い…大きい…」
返事というより自分の世界で呟いている。掌には脈動が伝わっているはずだ。
（こんな無垢な子が…）
そう考えただけで堪らない。なおもグングンと天を目指す。漲った弾力に呼応するように優花の手にも力が籠る。
（可愛い…いよいよこの子の秘神を拝もうか…）
「優花ちゃん。今度は優花ちゃんの、見せて」
両肩に手を置くと、自ら仰向けになっていく。この基本的な無抵抗が薬の効果なのだ。