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惚れ薬
【その他 官能小説】

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秘薬試行-3

 休憩が終わっても仕事が手につかなかった。爺さんの顔が脳裏に点滅する。
(何と言ったらいいのか…)
現実なのかと何度も江里の姿を追った。その度に目が合い、妖艶な笑みが返ってくる。
(夢ではない…)

 その夜、江里は凄まじかった。俺の精気を枯渇させようとでもするかのように乱れまくった。
 夕方、残務があって遅れて退社した俺は焦っていた。薬の効果が気になっていたからだ。急いで待ち合わせのカフェに着いたのが七時過ぎ。これから飲みに行って、頃合いをみてホテルに行くのは忙しない時間だ。
(効き目は六時間…)
もし爺さんが懸念したように行為の最中に『正気』に戻ったらどうなるだろう。そうなったら薬のことを明かすわけにはいかないし、言い訳のしようがない。自覚がない江里が睡眠薬を飲まされたなどと疑ったら面倒なことになる。小心者の俺は不安を拡げて考えを巡らせた。
 だが、杞憂であった。俺が席につくや、店を出ようと言ったのは彼女の方で、それも、
「早くシャワーを浴びたい…」
俺に凭れかかり、濡れた唇を半開きにして言うのだった。
「あたし、何だかおかしくなりそう…変なの…」
(これは…)
思うだに恐ろしい薬である。人間性など完全に無視して女の『性域』だけを引き出して弄ぶことが出来る。理屈など関係ない肉欲の薬である。たとえそれが女の本性の現れだったとしても、心を踏みにじって慰みものにしていることになる。だがその時の俺に理性を見つめる余裕などなかった。

 俺たちは体を寄せ合ってホテルに直行し、服を脱ぐのももどかしく浴室に飛び込んだ。
「磯貝さん…」
シャワーに打たれながら濃厚なキスで絶頂への扉を開いた。
「ああ…ちょうだい」
跪いた江里は噛みつくようにペニスを頬張り、唸りながら首を振った。
吸引と圧迫、滑らかな舌は絶えず回転する。昼間射精していなければ簡単に果ててしまっただろう。それほど強烈なフェラチオである。
(いくら何でも、もたない…)
 江里を促して体も拭かずに縺れながらベッドに倒れこんだ。

 「アアン、磯貝さん」
「江里…」
舐め合い、吸い合い、揉み合った。呻き、喘ぎ、唸って、絶叫。噴き上がってくる快感のマグマ。密着して擦れ合う江里の肌は蕩けるほど柔らかい。豊な乳房に顔を埋めると意識が遠のく。
(ああ、女だ…女の匂いだ…)
熟した女体。腹部から下へ向かうとさらに柔らかい。
 繁茂する藪に囲まれた亀裂。ふっくらと丘を成し、裂け目からは熟しきったイチジクを思わせる秘肉が覗く。妖しく溢れた蜜が泡立って、充血して真っ赤になっている。
 江里は自ら脚を開いてせがむように尻を振る。シャワーを浴びたといっても洗浄が不十分なのでやや強い淫臭が鼻腔をつく。だがそれは性的昂奮を掻きたてるものとなる。
 何人の男を呼び込んだのか知らないが、今は俺だけを求めて愛液を絞りつづけている。
(江里!)
俺は蜜壺に舌を伸ばして突入した。
「ひい!」
悲鳴とともに脚が俺の頭を巻きつけ、股間をぐいぐい押しつけてくる。
「感じるぅ!」
コリコリの陰核を舌で弾く。
「いい!いい!」
跳ねる腰をおさえつつ乳首をコリ、ネチ、ヌル…。
「ひ!だめぇ!」
頂上は目前であった。
「イクゥ!イクイク!」
(いけ!江里!)
「あうあうあう…」
まるで悪霊に取りつかれたごとき錯乱状態になった。
 ボディの痙攣が治まったところで挿入に移った。膝をかかえ、真上から突き差した。
「むう…」
亀頭の性感にめらめらと火がついて一気に燃え広がった。腟内の襞が纏わりついてくるようだ。
(たまらない…)
猛然と抜き差しした。
「くうっ」
思わず呻きを洩らしたのは腟が収縮したからである。ぐったりしていた江里の体が一瞬の硬直をみせたのだ。
「ああ…感じる…気持ちいい…」
息を吹き返した江里は目を剥いて俺の動きに合わせてきた。そしてあっというまに駆け昇っていった。
「いやだあ!またイク!またイクゥ!」
(これでもか!)
激しく打ちつけた。
「イク…」
歯を食いしばって放った。
(力が抜けていく…)
弛緩とともに微かな痙攣が続く。江里も同じだ。伝わってくる。やがて江里は喉の奥をグウっと鳴らして力尽きた。
 しばらく動けない脱力感に被われた。余韻が体内に滲んでいく感覚にとらわれていた。
 時計を見ると九時を過ぎている。江里は快楽の波に揺られて眠りに落ちていったようだ。


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