第7章-2
「そんなことはさせないわ。やっぱり利佳を殺したのはあなただったのね」
「泉美、何なの、その言葉づかいは。きちんと躾けてあるはずよ」
「ふん、私は泉美なんかじゃないわ。あなたに殺された川野利佳の姉、川野利奈よ。利佳の仇を討つために、泉美という偽名であなたに近づいたのよ」
今や利奈は姿勢も崩し、あやかを糾弾するように睨みつけていた。
「ああ、もううるさい子ね。美鈴、ちょっとこの子を慰めてやりなさい」
「はい、かしこまりました」
美鈴は利奈に近づくと、その頬に自らの頬をすり寄せ、片手で利奈の乳房を揉み、もう一方の手は利奈の股間を撫で始めた。
「泉美いや利奈ちゃん、気持ちいいことしよう」
「あん、美鈴お姉さま」
利奈はすぐに感応したようだ。美鈴の体を抱くようにして、バニ―スーツから露出している肌を撫で始めた。
いつしか二人は女同士で濃厚なキスを交わし、舌と舌を絡ませ合った。その舌はやがて胸を舐め始める。美鈴が利奈のレオタードを脱がした。レオタードの下は、網タイツを穿いているだけで、ショーツは穿いていなかった。網タイツの上から、利奈のクリトリスを美鈴がぺろぺろと舐める。
「あはん、あん、感じるわ」
あれほど信念を持ってセックスを肯定していた利奈のことである。女同士のセックスにもすぐに馴染んだようだった。二人はお互いにレオタードと網タイツを脱がし合い、恍惚とした表情で裸体を絡ませていた。
「あら、北岡さん、相当に勃起しているようですわね。おほほほ」
あやかが言う。祐志は恥ずかしくてズボンの前を思わず手で隠した。有希恵が谷本に身体検査されたあたりから勃起し始め、それからSMショー、レズビアンショーと続いて、祐志のペニスは大きく勃起しっぱなしだった。
「もしよろしかったら、香織にフェラチオでもさせましょうか」
「はい、そうしてください」
祐志は椅子から立って仁王立ちになった。
「香織、北岡さんにご奉仕しなさい」
「はい、かしこまりました、奥様」
香織は祐志の前まで来ると、そこに跪き、ズボンのチャックを下ろしてペニスを取り出した。そしてそれを口にくわえて、ぺろぺろとしゃぶり始めた。
「さあ、牝犬のマンコが焼け焦げるのと、北岡さんが香織の喉においしいジュースを流し込むのと、どっちが早いかしら」
あやかは楽しげだ。
右手には天井から縄で宙吊りにされた裸の女の股間で蝋燭が妖しげな炎を灯し、左手には裸の女同士が恍惚としてお互いのマンコを舐め合っている。そしてその真ん中では、バニ―ガール姿の女が勃起した男のペニスを一生懸命にしゃぶっている。祐志は中世の黒魔術の秘儀の場にでも迷い込んだかのような錯覚を覚えた。
その錯覚に呆然とした中で、勢いよく射精が始まった。先日の美鈴と同じように、香織はそれをすべて口の中で受け、そしてごくりと全部飲み込んでくれた。
「北岡様、どうもありがとうございました」
香織は深々と頭を下げる。祐志も、
「いえ、こちらこそ」
と軽く一礼して、元の席に戻った。一方の香織はフェラチオの奉仕が終わると、グラスにワインを注いであやかに差し出した。
「奥様、どうぞ」
「あら、あなた、気が利くわね」
あやかはそれを一気に飲み干した。そしてほんの数秒、突然あやかはその手からワイングラスをポトンと落とすと、頭をバタンとテーブルに突っ伏した。