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『神々の黄昏』
【SM 官能小説】

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第1章-1

      第1章

 十一月十五日、北岡祐志三佐はいつもより少し早く仕事を終えて防衛省を出た。高校時代の友人である高橋保典と市ヶ谷橋で待ち合わせていたのだ。
 祐志が防衛大学校に進学したのに対し、高橋は地元の国立大学に進んだ。それ以来十二年ほど会っていなかったが、三週間くらい前に、いきなりFacebook上で高橋から祐志に友達リクエストが送られて来たのだ。Facebookは実名と写真を載せてあるので容易に同窓生が見つけられる。
 最初祐志は驚いたが、懐かしさのあまり友達承認した。高橋は大学を卒業して東京の旅行会社に就職したらしい。それから都内で二回ほど会って酒を飲んだりした。そして三日前の十一月十二日の土曜日、高橋から電話が来た。十五日の夜にダンスパーティーに行こうと。
「そんなあ、俺はダンスなんかできないよ」
 祐志も最初は断った。しかし、
「何を言ってるんだ。お前、将来もしかしたら防衛駐在官として、欧米の大使館に勤務することになるかも知れないんだろう。社交ダンスの一つもできなくてどうするんだ」
「そんなこと言ったって」
「上手に踊れなくてもいいんだよ。ただ女の子の手を取って、ゆらゆらと体を揺らしていればそれでいいんだ」
「でも、ワルツとか何とか言われても全然わからないし」
「そんなに堅苦しく考えることはないさ。合コンの乗りでいいんだよ。それにあそこのダンスパーティーは、お相手は女子高生が多いから、たまには若い女の子に触れてリフレッシュするのもいいもんだぜ」
「そんなものかなあ」
 祐志もだんだんと乗り気になってきた。そして高橋に押し切られるような形で約束したのだった。
 待ち合わせ場所の市ヶ谷橋には、高橋が車で来て祐志を拾ってくれた。首都高速道路に乗り、そのまま高井戸から中央自動車道に入って相模湖インターで下りた。
 相模湖のほとりに建つ洋館がダンスパーティーの会場だった。入口でバニ―ガール姿の二人の女性が受付をしていたが、高橋が招待状を見せるとすぐに大広間に通してくれた。大勢の男女がいる中、高橋は横浜女学院高校の制服を着た女の子に声をかけた。
「やあ、利佳ちゃん」
「あら、高橋さん。久しぶり」
「こないだここで会ったとこじゃないか」
「そうだったっけ」
「それより、こいつ、俺の旧友で北岡祐志っていうんだ。見てのとおりの自衛官だけど、防衛省の統合幕僚監部に勤務する偉いさんなんだぜ」
「へええ、すごい」
「おい、北岡、自己紹介しろよ」
「あ、はじめまして。防衛省統合幕僚監部戦略部作戦課の北岡祐志です」
「横浜女学院の川野利佳です。よろしくね」
 利佳は右手を差し出した。祐志も右手を出して握手した。
「じゃ、俺は智子ちゃんと踊ってるから、お前ら、二人、うまくやってろよ」
 高橋は、利佳といっしょにいたやはり横浜女学院高校の女の子を連れて、どこかへ行ってしまった。
「あ、ちょっと、高橋」
「いいじゃないの、北岡さん。今夜は私と二人で思い切り楽しみましょう」
「う、うん」
 祐志と利佳は、大広間の周囲に設けられたソファーに座って、みんなが踊る姿を眺めながらしばらく話をした。そしていくらか打ち解けたところで、
「ねえ、北岡さん、そろそろ踊らない?」
 利佳の方から誘ってきた。
「でも、さっきも言ったように、ぼく、ダンス未経験者なんだよ」
「いいわよ。私が教えてあげる。さあ、行こうよ」
 利佳は立ち上がって祐志の手を引っ張った。祐志は誘われるがままにホールの中央へと出て行った。利佳に言われるとおり、左手で彼女の手を取り、右手を彼女の背中に当てた。
利佳は制服の上着を脱いでブラウス一枚になっていた。その薄いブラウスの背中に手を当てると、ちょうどブラジャーのホックの上だった。一瞬祐志はドキッとした。しかしあわてて手を他の位置にずらすのも却っていやらしく思われそうだ。祐志はそのままブラのホックの上に手を置いていた。すると利佳がリズムに合わせて体を動かした時、ブラのホックが外れてしまった。
「あっ!」
「ごめん。そんなつもりじゃなかったんだ」
 祐志は謝ると同時に、故意ではなかったことを強調した。利佳はしばらく祐志の顔を見つめていたが、やがて口を開いた。
「三階の奥から二番目の部屋で待ってるわ。十分したら来てね」
 そして利佳は組んでいた手を解いて、祐志の体から身を離し、そっと大広間から出て行った。
 外れたブラジャーのホックを直すために化粧室へでも行ったのだろうか。当初祐志はそう考えた。しかし三階の奥から二番目の部屋で待ってるというのはどういう意味だろう。彼は高橋を探したが、その姿はどこにも見当たらなかった。
 そのうちに十分が経過した。祐志はわけのわからぬままに、大広間を出て階段を上り、三階の奥から二番目の部屋をノックした。


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