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熱いバトル・トーキング
【その他 官能小説】

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スタジオにて-3

 信一郎が採用の決め手としたのは、
応募の条件として彼らに提示したアンケートの内容だった。

 その内容は多岐に渡っていて、自分の生き方のこと、
人生について、セックスについて、痴漢の行為について、暴力について、
近親相姦について、SMについて等々、
彼でなければ思い付かないような内容の濃いアンケートだった。

 故に、そのアンケートの回答によって信一郎が選別をしたのである。
 だがその回答が、どんなに立派で優等生的であっても、
彼は採用しなかった。

 むしろユニークで、突飛的で、投げやり的なものを好んで採用した。
 その彼に選ばれた人々はやはり彼のメガネに叶った人達だけに個性が豊かだった。
 最終には、信一郎が直接面接して決定したのである。

 当日の、その日のアシスタントは、信一郎が親しくしている女優で
タレントの梓ひかるだった。

 このことは予め参加者達は知らされていない。
 憧れの作家の竜崎信一郎の企画に参加できるだけでなく、
この輝かしい女優もこの対談に加わるなど、彼等は夢を見ているような気がした。

 参加者達は会話が始まる前から、すでに興奮状態である。

 信一郎とひかるとの関係は、
彼が書いた話題作の小説が映画化になった時に、
ひかるが主演女優で出演したのがきっかけだった。

 その映画は暴力とセックス描写が派手で、問題になった作品である。
 映画化されることに賛否が渦巻き、
結局、インディーズ映画の配信で決着が付いた曰く付きの問題作であるのだ。

 小説は、人間の心の内面に深く入り込んだ意欲作だが、
それが映画化されると、暴力やセックスシーンがやたらにクローズアップされる。

 映画の中でひかるは大胆な姿で裸になり、縛られたり、犯されたりと
過激なセックスシーンが話題になった。

 そんな話題を提供し、一時期にはマスコミを賑わしたほどである。
 それも一年前の話であり、今はマスコミは新たなるヒロインを追いかけている。

 ひかるは三十二歳で、女の盛りと言っても良いだろう。
 彼女はセクシーであり、個性的な女優でもある。
 演技力は素晴らしいのだが、
容貌からそのように評価されないのがこの世界でもある。

 彼女は思ったことをズバズバと言う性格であり、
色気があり、よく男性との噂で週刊誌などで話題を賑わせていた。

 まさに彼女は信一郎のゲストにはふさわしいのかもしれない。
 一切によると彼女は、信一郎の女だという噂もある。


 その一室では、これからいよいよその座談会が始まるようである。
 信一郎を取り囲むように六人のメンバーが長椅子でゆったりとして座っている。

 始め、ひかるは信一郎から少し離れて椅子に座っていた。
 その女優のひかるがいるだけで、その一角が華になるのだ。

 参加した男たちは、
やはり彼女が気なるのか時々視線を彼女に向けていた。

 しかし、信一郎はそれを自慢げにしているわけでもなく、
ひかるもその日は甲斐甲斐しく、参加者達に愛想を振りまいていた。




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