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熱いバトル・トーキング
【その他 官能小説】

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スタジオにて-2

 信一郎が持つ文才とは別に、
そういう彼の雰囲気が一般の読者の心を惹きつけるのだろう。

 いわゆる作家としてだけでなく、彼の男としての生き様に共感する人も少なくない。
 更に言えば、彼は五十一歳の男盛りであり、
長身でハンサムで、スポーツ好きで、お洒落なダンディともなれば、
彼のファンに多くの女性が多いことも頷ける。

 鬼才とも呼ばれる彼のジャンルは幅が広く、重厚な小説であったり、
又若者のセックスを取り扱ったセンセーショナルな小説もある。

 故に彼のファンは年齢を問わず少なくないが、
文壇の異端児の別名が付くように、
彼の執筆したものには彼特有な独特の癖があり、
必ずしもその世界では好意的に受け取られているわけではない。

 時には、野蛮な表現や、
セックスを扱った過激な表現や暴力的なシーンも多々あり、
非難されることも少なくはないが、
決して彼はその作風を改めることがない。

 むしろそういう批判を聞いてこそ、
彼の意欲はますますボルテージがあがっていくようである。


 彼は思いついたアイデアの為にネットで一般の参加者を募集したのである。
 その座談会で得た内容は、
彼がこれから書く意欲的な小説のイメージを膨らませるための肉や骨となり
いずれは、衝撃的な小説となるのは間違いないだろう。

 そのトーキングの内容を本にするか、
または雑誌に載せるかどうかまだ決めてはいない。
 あくまでそれは、彼のイメージのための産物になるかもしれないのだ。

 彼は予め参加者達にそのことを伝えてはあった。
 それを参加者たちは承知で参加をしているのだ。

 彼らは、この著名な作家の信一郎が企画をした世代を超えたトーキングに
興味を持ったからである。

 信一郎は自ら歩いてよく取材をしていたが、
どういう訳か、今回は直に生の人間の声を聞いてみたいと思ったようだ。
 それも彼が思いついた或るテーマで……


 応募には多くの参加者希望があったが、
信一郎はその中から厳選に人選をした、
それが彼らであり、全部で男女それぞれが三名ずつで六名になる。

 それは信一郎が、
二十代、 三十代、四十代と世代を考えて意図的に考えて集めた人達だった。


 ゆえに彼らのその職業もバラバラだった。
 ニートや水商売の女、会社員、スナックのママ、糞真面目なサラリーマン風の男など、
まことにユニークな人物ばかりである。



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