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中道深夜探偵事務所へようこそ
【フェチ/マニア 官能小説】

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薔薇色の明日-1

中道深夜探偵事務所
■薔薇色の明日

コード'05D633'調査報告。

イケメン男性に片想いしている相談者の女性だったかな。確か小学6年生の時、クッキーを焼いたからといって自宅に誘い、同い年の彼が遊びに来た。それが今でも忘れられない。
今日はその彼女がここに来店する日だ。

「中道さん、お久しぶりです」
前回は緊張していたのか目の焦点が一定せず、舌足らずな印象があったのだが、今回はその時に比べれば幾分落ち着いているようだ。
「ご無沙汰しています。お変わりありませんか」
「はい、あまり変わりませんが、今は彼が気になってドキドキしています」
「そうですか。こちらが調査結果報告書ですが、まあ今回の場合、口頭だけでも十分説明がいきます」
「そ、そうなんですか」
また女性はよそよそしくなった。中道は続ける。
「調査対象であった彼こと龍一様は、小学6年生以降、私立三橋中学に所属し3年間部活経験はないものの成績は常に上位、次に名高義塾高校でも部活経験なし。この2校は何れも男子校です。また、龍一様の場合、交通的にも学術的にもほぼ女学生と接触がない環境で過ごされてます。恐らく、お父様の影響でしょう。あと大学は国立の帝都大学へ6位で合格。それでも工学部だったので周囲は男子のみ。因みに、授業態度は極めて優秀。現在、本間電子・PC事業本部・営業係に所属されています。そして、ここからが本題です」
女性は表情を硬直させる。

「彼は現在23歳にして、女性経験はありません。また、交流もなく、ナンパ経験もなし。更に自慰経験もなし。勿論、女性に悩んだという記録もありません。95パーセント新車状態です。因みに、残りの5パーセントは、学校教師並びに親戚に女性が居るという意味と受け取って下さい。ですが、これも年齢が大幅に上回っています。勿論、交流らしきものも殆どないと見てよいでしょう。龍一様は、女性に対して、ほぼ免疫がないとご判断下さってよろしいかと」
女性は困惑している。
「あのぉ、中道さん。龍一さんは女性に興味がないのでしょうか?」
「純粋に縁が無かったというほうが正確かと」
「で、でしたら、あたしはどうすれば…」
「どんな方法でもいいから、近づかれることをお奨めします。さすれば龍一様は高確率で堕とせると思慮されます」
「あ、あたしでも大丈夫でしょうか?」
「龍一様にとっては、寧ろ貴女のようなタイプのほうがインパクトが強いと感じるでしょう。貴女の香水、スーツ、髪、それとお鼻についたそばかすは強烈な武器になると思われます」
「そ、そうなんですか」
「彼を堕とすなら、そこを強調されるとよろしいかと。そうですね、企業絡みで接近してみますか?」
「そ、そんなこと出来るのでしょうか?」
「最も近づきやすいのが生保レディーです。その生保会社に潜入する。手配は直ぐにでも出来ます」
女性は暫く考えたが…
「龍一さんに逢う為なら、あたしやります。中道さん、手配お願いします」
「坂井、手配しろ」
「承知しました」


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