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中道深夜探偵事務所へようこそ
【フェチ/マニア 官能小説】

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男性恐怖症-5

中道め、妙な鍵を渡しやがって。私はあの時のやりとりを反芻した。

「ここでは出来ない重要な話があります」
おまけに「人のいる場所はマズい」だってぇ?
一体ぜんたい何だってんだ。こっちの気も知らねえくせしてよ。それにこんな事も言いやがった。
「この鍵を使うのかどうかは貴方の自由です。ですが、わたくしとしては使ってほしい。お待ちしています」
相変わらず妙なことばかり言い出す少年だぜ。だから私は、指定された日時に合わせて中道の自宅へ向かっていた。どうやら住宅街にある分譲マンションの一角で部屋番が「401」。そこが中道の自宅みたいだ。

交通手段は電車を乗り継ぐ訳だが、あまり乗りたくない。ここの電車には痴漢が多いのだ。こっちがその気なくても、濡れ衣を着せられることも珍しくない。たまったもんじゃない。だから通称「痴漢電車」と呼ばれている。私は、濡れ衣を着せられない為にも、必ず両手でつり革を持って立ち、その上でキャリアの棒も掴んでいる。
ところが、中には女性から男性への痴漢行為、早い話が痴女というのもいるらしい。痴女に狙われるのは小柄で大人しそうなタイプの男性に多いようだが、痴女に遭った私の知人もそんな感じの男性だった。さもすれば、中道なんか格好の餌食になるんじゃないかな。

そんなことを思っていたら近くで声がする。声というよりもタメ息という感じだろうか。私の立っている右手がドアになっているんだが、そこに2人の女が1人の男を取り囲んで、今にも凭れ掛かるように立っている。
左側の女は後ろ姿で顔がよく見えないが、どうも右側の女から小さな声で「聡美」って呼ばれているようだった。よく見れば、後ろ姿の聡美は男の左手を取って自分の胸を揉ませていると同時に左膝で男の股間を擦っているようだ。
右側の女は黒のブレザーに同じく黒髪のショートカットが特徴。中々の美人だ。この美人は紅い唇を僅かに開けて男の耳元に息を吹き掛け、舌を入れている。タメ息の正体はこの美人の口からだったのだ。思わず私のモノは脈打つように勃起した。それは千恵子の下着姿を見た時よりも数倍勢いがあった。
つまり、この2人は痴女行為を働いている。被害にあっている男性はガッチリしていて横幅もあるが、やはり小柄だった。だが、痴漢と違い、痴女という存在は公安でまともに取り合って貰えない。被害者が「痴女に遭いました」と加害者を掴まえても、大方は「だから何だ。気持ち良かったんだからいいじゃないか」とお役ごめんになる。恐らく、この男性もそうだろう。
すると、右側の美人が一瞬ちらっと私のほうを見た。



幸いにして私は痴漢の疑いをかけられることなく、また痴女にも遭わなくて済むようになった。痴漢電車では運のいいほうだ。

プラットホームを降り、北出口から5分程歩いた場所にマンションがある。そこの「401」号室。私は入室後に内から施錠した。中には誰も居なかった。えらく生活臭のない部屋だ。

暫くして誰かがやって来た。鍵が開錠されて扉が開いた。


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