投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

蛇に睨まれた蛙
【フェチ/マニア 官能小説】

蛇に睨まれた蛙の最初へ 蛇に睨まれた蛙 4 蛇に睨まれた蛙 6 蛇に睨まれた蛙の最後へ

小さな心のヒビ-1

「内藤」という男、それが水樹さんの新しい下僕だという。で、その次に俺を狙っているという訳か。同僚の島田によれば、そういう話だったからな。
確かに社会的に地位も名誉もある人間、或いは偉そうな奴であればあるほど、自由を拘束して犬のように従わせていれば、そのギャップをエクスタシーと感じる者はいるだろう。

だが、俺の場合は社会的地位とは到底縁のなさそうな人間で、名誉はおろか財力すらないのだ。
強いていうならば、毎日の仕事が楽しくて俺なりに充実しているというところかな。
まさか、水樹さんは俺をリア充認定しているのではあるまいな。だから次なる奴隷の対象として考えているのかい。

なぁんてな、俺の知ったこっちゃねえや。まあ、外見的に誤解されやすいというのはあるかも知れないがな。

端から見れば、俺こと龍一は背が高くてイケメンなのかも知れない。仕事が出来て爽やかで、少々お人好しな人間にも見えるのかも知れない。
アルマーニのスーツを着せてロレックスでも腕にしているものなら、そんじょそこらのホストと変わらないのかも知れない。
だが、誰もこの俺の秘密までは知りやしない。23歳にもなる俺が童貞で女を知らないということまではな。もちろん、島田だって俺の秘密は知らないはずだ。
しかし、俺自身が童貞であることや女を知らないこと自体は別に不満でも何でもない。それよりも、23歳にもなって、周りからそういう目で見られることのほうが嫌なのだ。

ところが、実際はそんな俺の心にも小さなヒビが入っていたのだ。そして、ヒビは徐々に大きくなっていったのである。


蛇に睨まれた蛙の最初へ 蛇に睨まれた蛙 4 蛇に睨まれた蛙 6 蛇に睨まれた蛙の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前