THANK YOU!!-1
自分の目標が決まり、さらに最優秀演奏者賞を初めて受賞した高1のフェスティバルが終わり・・。
季節は秋。文化祭が大成功に終わって、未だに余韻が残る10月。
瑞稀は親友の恵梨と一緒にお昼を食べていた。
「それでね。拓斗が剣道の試合に勝ち進んでてね!」
「へえー!凄いね彼氏くん。さすがー!」
「ちょ!もう・・!そ、そういうんじゃなくて・・!」
「やー、惚気けてるよね?」
「もう!恵梨っ!!」
瑞稀が赤くなった顔を手で抑えて隠していると、教室のスピーカーに放送が入った。
『1―C、八神瑞稀。只今すぐ校長室へ。』
「・・・え?」
「・・・・まじ?」
クラスメイトから視線が集中している瑞稀には校長から呼び出されるようなことをした覚えが無く、状況を理解するのに時間が掛かった。
とりあえず、こちらもよく分かっていない恵梨についてきてもらい、管理棟最上階にある校長室に向かった。
さすがに、一緒に中へ入ることは出来ないので、恵梨は校長室前の壁に寄り掛かって待っていることにした。
自体がようやく飲み込めた瑞稀は、何を言われるのかとビクビクしながら扉を軽くノックした。すぐに返事がして、中をおそるおそる覗くと、入ってくるように促された。
「し、失礼します・・」
「どうぞ。そこのソファに座ってください。」
ソファに座っている校長は、自分の目の前のソファに座るように促した。
緊張して、顔がこわばる瑞稀に、校長は楽にするよう笑顔を向けた。
そして、口を開いた。