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THANK YOU!!
【純愛 恋愛小説】

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THANK YOU!!-1

 
4月8日。平成**年度 始業・入学式。

「んじゃ、いってきまーす!」

春休みを通じて、少しは大人っぽく?なった八神瑞稀は、勢い良く玄関の扉を開けた。
瑞稀は、ある理由で祖父母の家に幼い頃から同居している。
母親は病気で入院しているが、父親は知らない。
離婚したのだ。
まぁ、瑞稀にとって父親は名前だけのような人物で、自身の記憶にも残っていないので
あまり気にしていない。

そんな瑞稀は、今日からとうとう小学校の高学年である5年生へ進級した。
だが、祖父母からは「頼むから、もう少し落ち着きを持って欲しい」とせがまれている。
つまり、高学年になっても、心境の変化は見られない。ということだ。

「(クラス替え、どうなったのかな?)」

二年に一度、クラス替えをしている瑞稀の小学校。
普通の市立小学校。
ただ、行事が多く、取り組みも半端じゃない。
必ず高学年で鼓笛隊を作っては行事の度に演奏したり、発表したり・・。
中学・高校でいう文化祭もあるのだからまた忙しい。
週に一回、スポーツで学年の交流を深めたり・・
学年対抗のカルタ大会や放課後の校庭開放もある。

もちろん、遠足や社会科見学等もあるから、生徒たちはへばっている時間は無い。

瑞稀が一番楽しみ、というより張り切っているのが、鼓笛隊。
楽器を持てるのは6年生で、5年生はリコーダーだが、
大好きな音楽の末端に加えられる事にワクワクしている。

来年の自分に思いを寄せ、瑞稀は家から学校まで徒歩10分の道を走った。




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